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ソードアート・オンライン〜アインクラッド・アクセル〜
アインクラッド
〜剣の世界〜 2
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扮する茅場晶彦は、このゲーム《ソードアート・オンライン》をクリアしろといっているのだとレンヤが気づいたとき、更なる言葉が紡がれた。
 『・・・・・・また、外部の人間の手による、《ナーヴギア》の停止あるいは解除も有り得ない。もしそれが試みられた場合―――』
 ・・・そこで一度言葉を区切り、二の句を紡ぐまでの僅かな間が永遠にも感じられるほどに重苦しく、一万ものプレイヤー達はさながら、死刑判決が下されるのを待つ囚人のようであり―――

 『《ナーヴギア》の信号素子が発する高出力マイクロウェーブが、諸君らの脳を破壊し、生命活動を停止させる』

 ―――その言葉を以って、彼らは真に死刑判決を言い渡された囚人となったのだ。
 ・・・とはいえ、いきなりそのような事を言われ理解が及ぶはずもなく、人々の混乱はさらに強まる一方である。この状況下において、叫んだり泣いたりする者が現れないのも、その混乱故かあるいは、その言葉の意味の理解を拒んでいるからだろう。
 そんな中において、レンヤの思考は僅かに一歩先を歩いていた。
 生命活動の停止―――即ち『死』であるのは最早明白。であるならば、問題はその方法だ。考えられるのは、この高出力マイクロウェーブというのが、世間一般でも大変有名な家電製品―――電子レンジと同じ仕組みを持つものであるという点を生かし、脳細胞内の水分を高速振動させ、それによる摩擦熱をもって脳を焼き切るということだろう。
 だがそれを行うには多大な電力を必要とし、《ナーヴギア》の電源コードを抜いてしまえばそれらを得ることは不可能である。これでは、彼の宣言した【外部の人間の手による《ナーヴギア》の停止あるいは解除】への対策になりえない。
 その不足電力の在り処に気づいたのは、同じようにこの段階まで思考が及んだユーリーであった。
 「・・・・・・《ナーヴギア》の重さの三割は、バッテリセル・・・・・・それなら・・人の脳を破壊するのくらい・・・・・・・・・わけない・・・」
 そう言葉を紡ぐユーリーの内から、少しずつ恐怖が侵食を開始しているのが見て取れる。その話が本当であるなら、それはそれで大問題である。瞬間停電などが発生した日には、今この場に集う一万ものプレイヤーという名の囚人全員が死亡する話になる。そんなものはあまりにも無茶苦茶である。
 『より具体的には、十分間の外部電源切断、二時間のネットワーク切断、《ナーヴギア》本体のロック解除または分解または破壊の試み―――以上のいずれかの条件によって脳破壊シークエンスが実行される。この条件は、すでに外部世界では当局およびマスコミを通して告知されている』
 ・・・などとあまり嬉しくもない補足説明を受け、とりあえずよほどのことがない限り、外部の影響による死亡の可能性が薄らいだのに安堵する。・・・も、続く彼の言
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