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ソードアート・オンライン〜アインクラッド・アクセル〜
アインクラッド
〜剣の世界〜 2
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しているのだ。今更なのである。
・・・が、続く言葉が、おぼろげにだがその意味に輪郭をもたらしていく。
『私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ』
その言葉で、この場に集うプレイヤーの九割以上が言葉を詰まらせたことだろう。
―――茅場晶彦
数年前まで、弱小ゲーム会社の一端でしかなかったアーガスが、今や最大手と呼ばれるようになった原動力。若き天才ゲームデザイナーにして、量子物理学者。さらに、この《ソードアート・オンライン》のディレクターであり、同時に、プレイヤー全員をこの世界へと誘っている、現代の魔法のアイテム―――《ナーヴギア》の基礎設計者でもある。
・・・以上が、世間が、そしてこの場のほぼ全てのプレイヤーが知りうる、目の前に顕現した赤ローブ―――自らを茅場晶彦と名乗った男の全てだ。
基本的に裏方に徹し、異常なまでにメディアへの露出を拒み続け、簡単なインタビューが時たま雑誌に掲載されただけ。ようやくその姿を現したのは、《ソードアート・オンライン》のβテストが終了し、ゲーム発売まで三日を切った頃に発売された最新のゲーム雑誌での大型インタビューの時だった。
そんな彼が、今こうして不気味な赤ローブを媒体にGMとして名乗りを上げてきた事の意味はいったい何なのか? 考えれば考えるほどに謎が次々に姿を現し、レンヤに混乱と不安を産み落とし、次第に大きくなっていく。
『プレイヤー諸君は・・・』
そんな中レンヤが、そして、この場のほぼ全てのプレイヤーが抱えてる疑問の一つへの解答がもたらされる。
『すでにメインメニューから《ログアウト》ボタンが消滅している事に気づいていると思う』
「・・・・・・え?」
遅まきながら、先ほどのレンヤの言葉の意味を知ったユーリーは、あわてて《メインメニュー・ウィンドウ》を操作する。だが、信じたくはなかったが彼の《メインメニュー・ウィンドウ》のどこにも、《ログアウト》ボタンは存在していなかった。あれほどβテスト時代何度も押したボタンの存在を忘れるはずがない。再度操作を開始するがやはり、《ログアウト》ボタンの存在は確認できなかった。
『・・・しかし、ゲームの不具合ではない』
他のプレイヤー同様に一抹の不安に駆られたユーリーに、そして約一万のプレイヤーに向けられたその言葉は、淡々と、事実だけを、無駄なく、簡潔に伝え―――
『繰り返す。これは不具合ではなく、《ソードアート・オンライン》本来の仕様である』
―――彼らを、一つの絶望へと叩き落した。
『諸君は今後、この城の頂を極めるまで、ゲームから自発的にログアウトすることは出来ない』
一瞬、この世界のどこに城があるのかと疑問を浮かべるが、よくよく思い返してみれば、この世界は浮遊“城”。つまりこの赤ローブ
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