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ソードアート・オンライン〜アインクラッド・アクセル〜
アインクラッド
〜剣の世界〜 2
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現実世界にも帰ることが出来ない。
・・・だが、レンヤの瞳には、そのことに対しての恐怖が宿ってはいない。
そこにあるのは、ユーリーを深い絶望の淵に追いやってしまったことに対しての自責の念と、その贖罪の為に、先の言葉を必ずや実現してみせるという強い決意。
それらを宿した瞳は、扉へ手が掛けられる寸前振り返り、優しげな笑顔と共にユーリーに向けられた。
「少なくとも、ここにいれば安全のはずだ。時間は掛かるだろうが、待っていてくれ」
なにか、何か言葉をかけなければ・・・・・・。だが、いったい何と掛ければ良い?
頑張って? これから死地へ向かう者に向かって、そんな言葉はあまりに無神経だ。気をつけて? 彼がこのような愚行とも言える行動に移ってしまったのは自分の言葉が原因だ、その口で何を言うか。一緒に連れて行って? 先ほどその誘いを断ったと言うのに何を今更。しかも彼女は、未だに自ら死地へ赴く覚悟が出来てはいないのだ。彼と共に行った所で何の役に立てようか?
・・・結局、掛ける言葉が浮かばず、だが、それをレンヤがどう受け取ったかは不明だが、穏やかな笑顔を向け扉に手を掛けると、迷いなくそこから飛び出し、静かに扉を閉めていった。
・・・再び扉へ向き直った彼の背に向かって伸ばした右手は、しかし空をつかみ、力なくうな垂れた。
§
宿屋を出る寸前、今借りている部屋の代金を数日分払えるだけ払い、《メインメニュー・ウィンドウ》を操作し【Yury】とのパーティを解散した彼は、そのまま勢いよく宿から飛び出した。
・・・ゲーム開始直後のユーリーの話では、彼らが最初に出向いた草原の先に村があり、そこから何度か村やフィールドダンジョンを越えた先に、第一層の迷宮区があるのだと言う。
(まずは、その村か・・・・・・)
始まりの街を全速力で駆け抜けながら、簡単な方針を立てるレンヤは、ふと、視界の左端に映る細長いゲージに視線を向ける。
白い枠で囲まれたそのゲージは、薄い緑色で埋め尽くされていた。それの右下には【342/342】と表示されている。
これこそが、彼の命の残量。これが尽きたとき、彼は仮想・現実の双方で死を迎える事となる。そして、このような愚行を行っては、そう遠くなく、その未来は現実となるだろう。
・・・ふと、正式サービス直前に発売されたゲーム雑誌に載っていた、茅場晶彦のインタビューの一文を思い出す
『これは、ゲームであっても遊びではない』
今にして思えば、彼のその言葉は、正に今のこの状況を指していたのだろう。ゲーム内での死が現実での死となるこの世界は、間違いなく遊びなどではない。
死への恐怖がないかと問われれば、彼の中にも確かにそれは存在していた。
ならばなぜ
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