暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜アインクラッド・アクセル〜
アインクラッド
〜剣の世界〜 2
[14/16]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
ればならない。
・・・だが、当然ながらフィールドには凶悪なモンスター達が闊歩している。この世界のリアルな再現度もあいまって、如何な雑魚モンスターと言えども、人間の恐怖を煽るには十分過ぎる役割を果たしている。それは、人間の行動・思考を大きく束縛し、そこに生まれる隙は、命を刈り取るには十分と言える時間さえ生み出す。それほどまでに、フィールドは危険な所だ。
繰り返しになるが、この世界はデスゲームと化し、この世界での死は現実での死に直結する。なれば、そのような危険なフィールドに出るという事は、自殺行為に限りなく近い。
そんな所についてきてくれ―――などというのは、最早“死んでくれ”と言っているのと同義と言えた。
先ほどまでの、茅場晶彦によるチュートリアルにて絶望し、ましてレンヤに極論ではあるが“死んでくれ”と言われたなどと思い込んでしまい、そのあまりか、姿だけでなく口調までもが現実のものに戻ってしまったユーリーの言葉を、レンヤは否定することが出来なかった。
勿論彼にそのような意思はなかった。純粋に彼女の助けを欲し、また、彼女の助けとなる為にその身を惜しまないつもりでいた。
・・・だが確かに、レンヤの発した言葉にはそう言った意味が内包され、また、無意識のうちに、彼の信条の一つを彼女にも押し付けていたのだ。その事実に気づかず、あまりに迂闊な言葉をかけたと彼は自身を悔いる。
・・・それきり、再び俯き一言も発さなくなった彼女に掛ける言葉を、レンヤは持ち合わせてはいなかった。
「・・・・・・・・・ごめん」
・・・だからこそレンヤは、その言葉と共にある決意を口にする。
「・・・・・・・・・俺が、この世界から解放する」
その言葉にユーリーは、はっと顔を上げレンヤを見た。
この世界からの解放―――即ち、ゲームのクリア。それを自身が成し遂げると、彼はそう言っているのだと気づいたのは、ユーリーの前を通り過ぎ、部屋の出入り口まであと数歩というところまで来たときだった。
・・・そんなことは不可能だ。βテスト時代、千人ものプレイヤーが二ヶ月の時を経てもたったの八層までしか踏破しえなかったのだ。勿論その間に、βテスター達が何度死んだかわからないが、彼ら一人一人が十回死んだだけで、初回ロット数と同じ“一万”に手が届くのだ。彼女もβテスト時代で、三桁に後数回で乗ってしまうほど死んでいる。なれば、βテスト時代の全体の合計死亡回数は、今現在この世界に囚われたプレイヤー数“九千七百八十七”を大きく上回っているであろう事は想像に難くない。
それほどまでの難易度を持っているのが、この世界だ。到底一人のプレイヤーの力でどうにかできる代物ではない。ましてやこの世界に“次”はない。一度そのヒットポイントがゼロになったが最後、この世界の何処にも、そして
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ