第六十四話 阿波野君と先輩その三十四
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「けれど嫌いになったら徹底的でそれを隠さないことはね」
「あらためる様にですか」
「努力していってね」
「そういうことですか」
「そう、気をつけていってね」
「僕にとって一番難しいことかも知れないですね」
「それをやっていくのがおみちだし。あと自分で執念深いとか陰湿とか言うけれど」
あと卑劣で残忍とかです。
「絶対に嫌いな相手に向けるのよね」
「誰に向ける訳でもないです」
「それのあらためてね」
それぞれそうした癖性分がかなり強いのは阿波野君自身から聞いていることもあってです。こうも言いました。
「少しずつでもね」
「そうしていってですね」
「癖性分をなおしていんねんもね」
「切っていくことですね」
「どの人にもお家にもいんねんはあるから」
勿論私にも私のお家にもです、ちょっと言えないいんねんですがうちの家は昔色々あって入信した経緯があります。
それで、です。阿波野君にも言いました。
「だからね」
「僕もですか」
「そう、いんねんを切る様にしてね」
「僕のいんねんはこの癖性分でしょうか」
「恨む因縁ね」
「そう思いましたし家も」
阿波野君のお家もというのです。
「揉めることが多くて」
「ううん、ならそれがね」
「お家のいんねんですか」
「そうかも知れないから」
それでとです、阿波野君に言いました。
「頑張っていってね」
「少しずつでもですね」
「癖性分をなおして」
「いんねんもですか」
「切って」
そしてです。
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