暁 〜小説投稿サイト〜
おぢばにおかえり
第六十四話 阿波野君と先輩その三十三

[8]前話 [2]次話
「阿波野君は今のところ悪い方向に出てるわね」
「今のところは、ですか」
「そうした人達を嫌ってるでしょ」
「全員大嫌いで二度と顔を見たくないですね」
「そう思うこと自体がよくないの」 
 こう本人に言いました。
「ああはなるまいって思うことはいいけれど」
「反面教師にすることはいいことですね」
「それでも嫌い抜いたら駄目よ」
「それはよくないんですね」
「そう、阿波野君は反面教師にしていることはわかるけれど」
 それでもです。
「嫌い抜くのは駄目よ」
「かわいいやはらだちになっていますか」
「そうよ、気をつけてね」
「悪い癖性分ですね」
「かなりね。これから少しずつでもなおしていってね」
「だからあの人ともですか」
「会っても。少しでもね」
 暴力は振るわないことはわかっていてもです、阿波野君の嫌いな対象への嫌い方は尋常ではないからです。
「気持ちを抑えてね」
「努力して、ですね」
「努力は何でも必要だから」
 おみちのこと、そして人付き合いでもです。
「学校の勉強や部活でも必要だけれど」
「だから僕もですか」
「その癖性分をなおしてね」
「気持ちも抑えてですか」
「そうしていかないと」
「そうですか」
「人を無理に好きになれとはちょっと言えないけれど」
 そこまで言うつもりはないです、努力は必要といっても。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ