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ソードアート・オンライン〜アインクラッド・アクセル〜
アインクラッド
〜剣の世界〜 1
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界のゲームバランスを思えば、これでもまだ難しいんじゃないかと思うんだがな」
・・・・・・βテスト中の踏破は彼の言うとおり、第八層までとなっていた。
《ソードスキル》という戦闘に関しての救済措置があり、さらにこの世界では『痛覚』がなく、ノックバック等の『衝撃』は感じても、それが『痛覚』に発展することはない。たとえ剣を突き刺されたり身体を切り裂かれても痛みは発生しないのだ。・・・とはいえ剣が刺さっている時などの、その部分から発生する異物感は痛みが発生しない代償として非常に不快極まりない。だからと言って、度々痛覚が発生していては、それだけでゲームの進行に支障が出てしまう。アニメや漫画のように、身体の至るところに傷を負い、満身創痍の状態でも魔王に立ち向かうなど、少なくともこの平和の時代に生きている人間には不可能であろう。
その不快感を可能な限り払拭するためのもっとも確実な手段が、己の強化―――すなわちレベル上げだ。つまるところβテスター達は、そのレベル上げに邁進するあまり、攻略を疎かにしていた節が少なからずある。
もっとも、それらのあらゆるアドバンテージをもってしても異常な強さを発揮するボスモンスターの存在こそが、この浮遊城の攻略を停滞させるに至った最大の理由だが・・・
「確かにそうかもな・・・でも・・・・・・」
そう言ってユーリーは不敵に笑い、背中の鞘から剣を引き抜くとそれを掲げた。
「そこまでなら、今度は一ヶ月もあればいけるよ」
そう言う彼の目に映るのは、どこまでも澄み切った青空・・・ではなく、巨大な天井―――第一層の目標ダンジョンである《迷宮区》に待ち受けるボスを倒した後に開かれる第二層―――その大地である。
《迷宮区》のある巨大な塔の高さからしてまず圧巻であり、その上に存在する次層の大地は、各層によってロケーションの赴きが異なり、広大な湖が存在する層もあるという。それほどまでの高さと大地の厚さだ。
・・・しかし、その次層の大地に向けて掲げられた剣、そして彼のまっすぐな瞳は、それすらも突き破ってしまいそうな力強さがあった。少なくとも隣にいたレンヤは、そのことを強く感じた。
「頼もしいかぎりだな。期待しているぞ、“勇者”君っ」
そう言ってレンヤは、ユーリーの背中をほんの少し強めに叩いた。・・・つもりだったのはレンヤだけで、実際には少しばかりの衝撃を与え彼は少し大げさによろけてしまう。
そのことで些か恨めしそうな表情で睨んだユーリーは、途端意地の悪そうな表情を向ける。
「・・・なら、この“勇者”であるオレが、アンタの実力を測って上げよう」
体制を建て直し、右手の人差し指と中指をまっすぐに揃え、それを垂直に振り下ろすとそこには、薄紫色に発光する半透明の矩形《メインメニュー・ウィンドウ》が現れる。さらにそれを
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