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ソードアート・オンライン〜アインクラッド・アクセル〜
アインクラッド
〜剣の世界〜 1
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ならないものかな?」
そう言うなり、その《ソードスキル》を発動させた。
刀身を眩い光―――ライトエフェクトが包み、その手の片手剣を水平に切り抜く。プレイヤーに設定されたもっとも初期のスキル《片手剣》。そのスキルの中で一番最初に使える《ソードスキル》―――片手剣用基本水平斬り《ホリゾンタル》。先ほどフレイジーボアを屠ったのも、レンヤのこの一撃だ。
「《ソードスキル》がどうかしたのか?」
「・・・通常の攻撃、《ソードスキル》以外の攻撃は威力が弱く、速度もない。敵を倒すためには《ソードスキル》の習得と修練、使用が必要不可欠だ。というのはわかるんだがな・・・」
振りぬいた剣を器用に回し腰の鞘に納めたレンヤは振り返ると、どこか落胆したように肩をすくめる。
「・・・この“システムアシストに引っ張られる感覚”というのは、なんだかしっくりこないんだ。さらに言えば、術後の硬直時間も個人的には気に入らない」
《ソードスキル》は、その技の初動をシステムが検出することで立ち上がり、その後はシステムが身体を操り、自動的に規定のモーションをトレースしていく。そして、技の終了と同時にプレイヤーには、使用した《ソードスキル》に応じて僅かな硬直時間が科せられる。
どちらも、このゲームにおいて程好いバランスを生み出している。武器を用いての―――さらに言えば、剣などの近接格闘武器を用いての戦闘など、この世界に降り立つまで誰一人として経験していないだろうし、それ以前に武道、さらに言えば剣道に精通しているであろう人間がどれほどこの世界にログインしているだろうか? 相手との間合いを測り、自身にとって有利な距離を保って、的確な一撃を叩き込む。・・・が、それはもはや『戦闘』の極意ともいえるもので、武道の有段者といえども簡単にできることではない。有段者同士の激突はまさにその一瞬の隙の探りあいだといえるほど苛烈を極める。その中で、武道未経験者や、現実での肉体を酷使することを放棄したような人間が九割は占めるであろうと予測されるこの世界で、彼らは如何様にして戦い抜き、生き抜けというのだろうか?
だからこその救済措置として、このシステムアシストは大きな働きを見せていた。
・・・とはいえ、そこまで便利に技が使えたらモンスター戦での苦戦はそうそうありえない。それは、また別の意味でゲームバランスを崩壊させている。だからこそ設定されたのが硬直時間であろう。そもそも、この世界には魔法がなく、詰まるとこMPにあたるステータスが存在しないのだ。そのぐらいの対価は当然である。
「いや、それは理不尽なんじゃないか? ゲームのバランスを考えたら、これでも十分温情だと思うけど・・・」
「まぁ、自分でもそのことは十分理解しているんだがな・・・というか、二ヶ月で第八層までしか行けなかったこの世
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