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ソードアート・オンライン〜アインクラッド・アクセル〜
アインクラッド
〜剣の世界〜 1
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頼りに《はじまりの街》の中でもかなり品揃えがよく、かつ値段も手ごろな武具屋へと向かおうとして一歩踏み出し、そこでふと、一人のプレイヤーの姿が目にとまった。
まず真っ先に目を引くのは、濃い目の茶髪をオールバックに整えた厳格そうな表情。ほぼ九割以上のプレイヤーが、現実の自分以上に端正な顔立ちにしているであろうが(現に彼自身も金髪碧眼が目立つ、いかにも勇者といった端整な顔立ちをしている)そのプレイヤーは多少その辺りの感覚が違うのか、四十代〜五十代の男性の顔立ちをしていた。とはいえ、このゲームのキャラクターメイキングの素材自体が端正なものを多く含むので、このプレイヤーも見た目でいけば“ダンディなおじ様”と呼べるだろう。
そのダンディなおじ様は先ほどから、おそらく彼がログインする前からこの世界に降り立っていたのだろうが一向に動く気配がない。この中央広場にはNPC(ノン・プレイヤー・キャラクター)は存在せず、この短時間でおそらく全プレイヤーがログインしてしまった為にサーバーに負荷がかかりラグが生じているのかと一瞬考えたが、それはないだろうとその考えを切り捨てた。
この《ソードアート・オンライン》を開発した《アーガス》という会社はユーザー第一の良心的な会社で知られ、正式サービス開始直後の多大な負荷によるラグや接続不良などを起こさないためにも最新型の処理機を何台も用意していた。そんな信頼の置ける大企業のゲームだからこそのこの熱狂なのだろう。
では、このダンディなおじ様が直立不動な理由とはいったい何なのか? それを振り払い穴場とも言える武具屋へ向かうことも考えたが、どうやらそれよりも好奇心が勝ってしまったのだろう。
「あの・・・ラグってるんですか?」
いい言葉が思い浮かばず、多少失礼な物言いかとも思ったが、その発言に対してこのダンディはにこやかな表情で応えてきた。
「あぁ・・・いえ、少し感動していただけですよ。この再現度、現実と見紛うほどの完成度だなと。時代の進化を感じます」
時代がかった物言いに、少しの嫌気がさす。
・・・この手のMMORPGなら、大なり小なり自身のキャラクターになりきるプレイヤーがいたりする。ゲームをより楽しくプレイする為の当然の行動だろうが、彼は些かその行動に嫌悪を抱いていた。真意の底が見えず、たとえネット上の会話であろうと本来の自分を偽るような言動が本能的に気に入らないのだ。
(・・・なんて、オレが言えた義理じゃないけど)
彼もまた多少の偽りは持っているが、そこは棚に上げる。とにかく、このダンディの第一印象はあまりいいものではなかった。
・・・とはいえ、自分から声をかけたのだ。ここで会話を切るのも失礼と生真面目にも思ったのか、ダンディの言葉に返す。
「確かに、据え置き型のゲームだってここまでのレベルに
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