第三百五十七話
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第三百五十七話 本を読みつつ
カーミラはこの時本を優雅に安楽椅子に座りつつ飲んでいた、そして使い魔達からワインが入ったグラスを受け取り。
そのワインを口にしてこんなことを言った。
「やはり小説の時にお酒はね」
「ワインですね」
「それも赤ですね」
「ええ、どんな小説でもね」
ジャンルに関係なくというのだ。
「私はね」
「小説の時は赤ワイン」
「それは決まっていますね」
「ご主人様は」
「白ワインや政治や経済の本の時ね」
そうした本を読む時だというのだ。
「やっぱりね」
「左様ですね」
「それではですね」
「今は赤ワインですね」
「そちらを飲まれますね」
「こうしてね。それだけれど」
ワインをさらに飲みつつ話した。
「このワインは日本のものね」
「はい、甲州ワインです」
「山梨のワインです」
「そちらになります」
「そうね、甘くてね」
その味の話もした。
「口ざわりもよくて」
「飲みやすいですね」
「左様ですね」
「こちらのワインも」
「日本では日本のワインは低く思われているかも知れないけれど」
今度はチーズを食べつつ言った、これも日本のものだ。
「これが実はね」
「美味しいですね」
「左様ですね」
「こちらのワインも」
「ええ、チーズもで」
そしてというのだ。
「サラミやクラッカーもね」
「よいですね」
「日本のものは」
「ご主人様もお気に入りですね」
「読書の時もいいわ」
口に合うというのだ。
「日本のワインもチーズもね」
「ではですね」
「さらにですね」
「おかわりを貰うわ」
こう言いつつ読書に励んだ、カーミラにとって読書の時もワインは欠かせないものだった。
第三百五十七話 完
2021・4・8
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