第二章
[8]前話
「映画とかの出演の依頼もあって」
「出演もしているよ」
「そうなんですか、ただ」
興津はステパンを見ながら驚きを隠せない顔で言った。
「よく一度もです」
「襲われていないことがだね」
「信じられないのね」
「しかし本当だよ」
「この子は絶対に暴力を振るわないのよ」
「熊なのに」
猛獣なのにというのだ。
「そうですか」
「熊でもだよ」
夫は笑顔で話した。
「ちゃんと教育をすれば」
「暴力を振るわないですか」
「そうだよ」
「私達はわかっているから」
妻はここでこう言った。
「二人共サーカスの調教師の資格を持っているから」
「あっ、サーカスには熊がいますね」
興津は言われてわかった。
「だからですか」
「熊のことはよく知っているの」
「それでに熊を飼うにはその資格がないと飼えないんだ」
夫も話した。
「サーカスの調教師のね」
「だからですか」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「僕達はステパンと一緒にいられてね」
「教育を出来るんですね」
「だからだよ」
「ステパンは大人しくて」
「一緒にいられるんだ」
「そうですか、わかりました」
興津はここまで聞いて笑顔で頷いた。
「そういうことですか」
「そうだよ、じゃあ今から再会を祝して」
「飲んで食べましょう」
「ステパンも交えて」
「そうしましょう」
「わかりました、じゃあ宜しくお願いします」
興津も応えた。
「そうしましょう」
「ステパンもいいな」
「皆でお祝いしましょう」
「ガウ」
ステパンは夫婦そして興津に嬉しそうに応えた、そうしてだった。
皆で飲んで食べて楽しい時間を過ごした、その中にステパンもいたが彼は大人しかった。そうして夫婦の傍にずっといて嬉しそうに大量の食べものを食べた。
熊の我が子とずっと一緒 完
2021・6・22
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