第一章
[2]次話
戦場での友との出会い
アフガニスタのサンギンでのことだ。
この地域に展開していたアメリカ海兵隊の部隊に所属していたクレイグ=グロッシー上等兵黒髪を短くした青年の彼は一匹の犬を見付けた。
「犬か」
「そうだな」
同僚も応えた、見れば。
白く背中がグレーで垂れ耳のやや大型の犬だ、その犬は。
「クゥ〜〜〜ン」
「俺達に懐いてるか?」
「そうみたいだな」
「じゃあちょっと一緒にいるか」
「海兵隊はこうした時犬と関わったらいけないけれどな」
それでも話してだった、
グロッシーは犬にビーフジャーキーをあげた、すると。
犬は彼に懐いた、数日間タリバンと激しい戦いを繰り広げていた彼も同僚達もその犬に癒された、だが。
迎えのヘリが来た、それでその場を去らないといけなくなったがグロッシーはここで犬フレッドと名付けた彼に言った。
「いいかフレッド」
「ワン?」
「俺は帰る」
フレッドに真剣な顔で告げた。
「その時について来たら連れて帰る、いいか?」
「ワン」
フレッドは鳴くだけだった、だが。
ヘリが来た時彼はついて来た、それでだった。
グロッシーは彼をバッグの中に入れて密かに基地に連れて帰った、その間フレッドは鳴くこともしなかった。
そして基地に帰ると基地に来ていたアメリカの運送業者に聞いた。
「犬とか遅れますか」
「犬ですか」
「ええ、例えばですが」
自分のことを隠して問うた。
「それは出来ますか」
「出来ますよ」
業者はフレッドの考えを察して答えた。
「それも」
「そうですか、じゃあお願いします」
「軍には内密で。ただ手続きが複雑なので」
業者はこのことも話した。
「ですから」
「そのことはですね」
「ご理解を」
「わかりました」
グロッシーは頷いた、それでだった。
[2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ