アインクラッド 前編
Dive to Sword Art Online the World
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マサキが社交術として身に着けた人懐っこいビジネススマイルを自己紹介と共に見せると、二人は再び慌てて自己紹介を始めた。
「ああ、自己紹介がまだだったな。おれはクライン! よろしく頼むぜ!!」
「えっと……、俺はキリト。よ、よろしく」
クラインが右手を差し出し、マサキはにこやかに、キリトはおずおずと応える。
「まず武器屋、だったな。この先にあるのか?」
「ああ、うん。他のところでもいいんだけど、これから向かうところが一番安いんだ」
相変わらずオドオドと受け答えながらキリトは歩き出し、それにつられて二人も歩を進めたのだった。
そのまま数分ほどキリトに連れられて歩いていくと、三人の前方にいかにも古そうな一軒の店が見えてきた。片手剣をあしらった看板が見えるあたり、恐らくここがキリトが言っていた店なのだろうとマサキは推測し、キリトはマサキの予想通りその店の前で立ち止まった。
「えーと、ここがその武器屋なんだけど……、二人は、何か欲しい武器とかある?」
「あー、俺何も考えてなかったわ。うーん……」
キリトが問いかけると、クラインは唸りながら首をひねる。そこまで考えてなかったため、あれこれ思案しているのだ。
「じゃあ俺は……、日本刀みたいなのって、ある?」
「おお! それいいな! うん、俺もそれに決めたぜ!!」
マサキが店内をざっと見回して問うと、まだあるとは誰も言っていないのにもかかわらずクラインが目を輝かせて、うんうん、と何度も頷いた。そしてそのまま、二人してキリトに視線を向ける。するとキリトは、バツが悪そうに表情を曇らせた。
「あー、えっと、ここには無いんだ……」
「じゃあ、何処にあるんだ? さっき通ったとこか?」
クラインが顔を近づけてまくし立てる。さっきまでは何も考えてなかったくせに、とマサキは少しだけ呆れの度合いを増した視線をクラインに投げかけるが、もちろん気付かない。
「いや、今の段階では、日本刀は装備できないんだ。だから多分、この町の何処でも売ってないと思うし、一層じゃあドロップもしない」
キリトがそう告げると、クラインは肩をがっくりと落とし、オーバーに落ち込んで見せた。恐らくはキリトの「今の段階では」という台詞を聞き逃したのだろう。仕方なく、マサキが指摘する。
「「今の段階では」ってことは、今後装備できる可能性があるのか?」
「そ、そうなのかキリト!?」
マサキの問いかけを聞いた途端、それまでがっくりと肩を落としていたクラインが急に顔を上げる。その勢いはすさまじく、危うくキリトの顎を砕きそうになったくらいで、その切り替えの速さにマサキは内心辟易していた。――もちろん、声には出さないし、表情もポーカーフェイスを保ったままだが。
「あ
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