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忘れられた猫だった
第二章

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 猫を保護して一旦家の駐車場に入れていた車の中にあるキャリーケースにだ。
 サムを入れてまた家の中に入って大掃除の手筈を考える為に家の中を見て回った。家の中は相変わらずゴミだらけで。
 進むのも一苦労だった、そして。
 二階のベッド、かつて使われていたところにだった。
「!?何これ」
「ええ、何なのこれ」
 ベッドのところに何かいた、それは。
 無数の細長く太い毛玉が無数に付いていた、異臭がしてしかもやけに不吉な感じだった。その生きものは。
 モソモソと動いていた、二人共それはモンスターかと思ったが。
 とりあえず保護をすることにした、そして。
 動物病院に連れて行って獣医に見せた、その前にサムを自宅に迎え入れた。そのうえで獣医に見せるとだった。
「な、何ですかこれは」
「わかりません」
「家の中にいましたけれど」
「何でしょうか」
「これは」
 夫婦もこう応えるしかなかった。
「それで驚いてです」
「見てもらいました」
「まずはです」 
 獣医は驚愕した顔のまま言った。
「この毛玉を切りましょう」
「何か触手みたいですが」
「それも無数の」
「それを切りますか」
「まずは」
「そうしましょう」
 こう言って毛玉を慎重切っていった、すると。 
 最後まで切ると。
「ニャ〜〜〜」
「猫!?」
「猫ですね」
 夫婦は毛玉が切られた中から出て来た生きものを見てまたしても驚いた、見ればそれはまさにであった。
 三毛猫だった、獣医も驚いて言った。
「猫ですね、それも雌です」
「そういえば」
 ここでポールはこの猫を見付けた事情を話した。
「そういう訳で」
「アルツハイマーなのでもう一匹飼っていたことを忘れていましたね」
「そうですか」
「はい、それは」
 話を聞いた獣医はこう答えた。
「それで何年もです」
「ほったらかしでしたか」
「ずっとベッドの毛布の中にいて」
 そしてというのだ。
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