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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
第二百六十一話
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事は不可能であっただろう。
しかし現在箒の背後には疲弊した羽川翼がおり、更には住宅密集地である。
避けられず、迂闊に受け流す事もできない。
苛虎の口から焔があふれる。
学習塾跡を”跡形もなく”焼き尽くした焔だ。
煌々と燃え盛る火焔。
拡散せず一直線に伸びるそれが湾曲した障壁に受け止められ、上空へと逃げる。
しかし障壁と焔の界面がおかしい事に箒が気づく。
障壁が爛れ、融けていく。
一枚、二枚と融けていく。
「厄介な。長くは持たんか」
今はまだ逐次展開する速度の方が勝っているが、いつか拮抗しかねない。
「どういう事だ狐」
「お前の主人はよほど世界を呪っていたようだな。
世界の全てを、あらゆる縁と絆を焼き尽くしてしまおうという意志の具現化。
それがあの虎なのさ」
障壁すら’焼き尽くす’嫉妬の焔。
もたらす結果は倶利伽羅と同じ、情報体の焼却。
(さてどうしたものか。私ではコキュートスは使えない。フリーズフレイムで対抗できるだろうか)
それを行うにしろ行わないにしろ、苛虎の火焔を止める必要がある。
そして今一番相応しい魔法は。
「ドライミーティア!」
苛虎の真上に魔法陣が展開する。
空気中の二酸化炭素が凍結、真夏の気温を運動エネルギーに転化し降り注ぐ。
鋭い礫を受けて、苛虎が怯み焔が止まる。
「シンクロキャスト!」
『りょうかい!』
箒の放った命令で、稲荷と箒の魔法演算領域が深く同調する。
「フリーズフレイム!」
箒の魔法が空間を制圧する。
熱量を一定に保ち、ありとあらゆる燃焼を妨害する概念拡張術式。
「さて。仕切り直しと行こうか」
side in
暦さんと死屍累生死郎の決闘はまだ始まっていない。
原作であのタイミングで間に合ったなら苛虎の動きはもっと遅かったか、決闘が早く済んだのだろう。
バタフライエフェクトかなぁ。
当の暦さんは準備運動中。
一応暦さんにフィッティングしたシューズを渡しておいた。
箒の縮地にも耐えられる一品だ。
一方死屍累生死郎は精神統一でもしてるんだろうか。
突っ立ったままだ。
箒と羽川翼は苛虎と戦っているが、まぁ大丈夫だろう。
箒はあれでも神使の末端だ。
それに加え俺の吸血鬼性を内包している。
負ける要素が無い。
「いいのかい?彼女が戦ってるんだろう?」
「ん? 箒なら負けんだろ」
などと話していると、暦さんが大声を上げた。
駿河にまくし立てるように質問している。
ようやく恋人の危機を知ったらしい。
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