暁 〜小説投稿サイト〜
猫の赤ちゃんと思ったら
第一章

[2]次話
                猫の赤ちゃんと思ったら
 アルゼンチン北部トゥクマン州サンタ=ロサ=デ=レアレス在住のフロレンシア=ロボ茶色がかった波だった黒髪を長く伸ばし黒く大きな目と紅の見事な唇とくびれのあるやや小柄なスタイルの彼女は今弟のフィデルと共に釣りを楽しんでいた。フィデルは若々しく整った顔立ちで姉と同じ色の神と目の色である。一家でステーキハウスを経営している。
 二人は釣りをしている川の近くにある洞窟の前を釣りが終わった時に通りがかった、すると。洞窟の中からだった。
「ニャ〜〜〜」
「ニャ〜〜〜」
 子猫の鳴き声がした、それでだ。
 二人共条件反射的に洞窟の中を見ると二匹の濃いグレーの子猫達がいた、弟はその子猫達を見て姉に言った。
「洞窟の中に暮らしてるのかな」
「野良かしら。けれど野良ならね」
「うちで飼おうか」
「丁度家族で飼いたいって言ってたしね」
「お父さんもお母さんもね」
「それならね」
「助かるか」
「お母さんがいたら一緒にね」
 こう話して洞窟の中を捜し回った、その近くも。
 しかし二匹以外の猫はおらず気配もなかった、それで二人は子猫達が親とはぐれて洞窟の中で二匹で暮らしていると考え。
 子猫達を連れて家に帰った、雄と雌一匹ずつで雄はティト雌はダニと名付けられた。そうしてであった。
 家に連れて帰った、二匹共衰弱していたが獣医に診せて寄生虫を取ってもらって栄養注射も受けてだった。
 家でミルクを多くあげると二匹共元気になった、そしてそのまま家で育てていて。
 二匹は結構大きくなった、だがここでティトが家の中で遊んでいる時に右の前足を挫いてしまったので。
 最初に診せた獣医のところに連れて行った、すると獣医はこう彼女に言った。
「最初に診た時は気付きませんでしたが」
「どうしたんですか?」
「この子どうも」
 ティトを見ながら言うのだった。
「猫じゃないみたいです」
「猫じゃないっていいますと」
「ジャガランディではないでしょうか」
「あの野生の大きなネコ科の」
「あの生きものじゃ、詳しく調べたいですがいいですが」
 フロレンスに真顔で申し出た。
[2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ