第一章
[2]次話
ボロボロになった犬達を
ニューヨーク州在住のフェミナ=リオはこの時獣医に真剣な顔で頼み込んでいた、黒髪を長く逃し浅黒い感じの肌と黒い目そしてはっきりした顔立ちが如何にもラテン系である。
「どうにかです」
「この子をですね」
「助けてくれませんか」
「安心して下さい」
獣医はフェミナに確かな声で答えた、見れば。
その犬は非常に痩せ細り全身傷だらけだ。皮膚病で殆ど毛がない。
「確かに酷い状況です、寄生虫も多いです」
「そうですか」
「ですが間に合いました」
そうだったというのだ。
「ですから」
「助かりますか」
「はい」
再びフェミナに確かな声で答えた。
「ですから」
「安心していいですか」
「暫く入院してもらいますが」
それでもというのだ。
「必ずです」
「助かりますね」
「そのことは保証します」
こう言ってだった、獣医は。
その犬、雄で獣医から名前を聞かれたフェミナがその場でケルシーと名付けられた彼の治療を行った。そして。
暫く入院した後で退院した、皮膚病はまだ治療が必要だったが。
「もう歩けますし」
「元気になりましたか」
「後は皮膚病が完治すれば」
そうなればというのだ、中型犬である彼を見つつ話した。
「そうすればです」
「もう普通にですね」
「暮らせます」
こうフェミナに話した、そして実際にだった。
ケルシーは徐々に元気になり肉付きもよくなり毛も白いふさふさとしたものになった。傷も回復した。
そうして普通に散歩にも出られる様になってだ。
ケルシーは楽しい暮らしを送れる様になった、その中でフェミナは彼を近所に住んでいて職場の同僚がいるシルバースタイン家に入った、すると。
「ワン」
「ワンワン」
ケルシーはすぐに家にいた白いハスキーのミックス犬、一歳位と思われる雌の彼女と出会って。
すぐに仲良くなった、そして。
家の娘でありフェミナの同僚であるフレデリカ長い金髪で見事なエメラルドグリーンの瞳に知的な明るい微笑みの顔立ちの長身の彼女が言ってきた。
「この娘、スカイはテキサスにいたのよ」
「遠いわね、このニューヨークから」
「パームバレーの道にいて全身皮膚病だったらしいわ」
「ケルシーと同じね」
それならとだ、フェミナはフレデリカの話を聞いて言った。
「それなら」
「その子もそうだったのよね」
「どうもずっと一匹で街を彷徨っていて」
そうしてとだ、フェミナはフレデリカに答えた。
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