第一章
[2]次話
狼犬の幸せな出会い
動物保安官のエリオット=ハイマー長身のアフリカ系の青年である彼はアリゾナ州の街を彷徨っていた生きものを保護して言った。
それは大きな灰色の毛を持つ生きものだった、その生きものが何であるかハイマーは捕まえてから言った。
「狼が街にいるなんてな」
「いえ、狼じゃないですよ」
すぐに引き取りに来た保護施設の獣医が言ってきた。
「その子は」
「えっ、狼じゃないのか」
「オオカミ犬ですね」
「狼と犬のハーフの」
「アリゾナはオオカミ犬の飼育が出来るので」
それは認められているというのだ。
「ですから」
「それでか」
「はい、多分飼っていて」
そしてというのだ。
「捨てられたんでしょう」
「こんな大きな子を捨てるのか」
ハイマーはハスキー位の大きさのそのオオカミ犬を見つつ言った。
「何かあったらどうするんだ」
「そうですね」
「話を聞くと大人しい子らしいが」
見れば今もじっとしている。
「誰も襲わないし人の家の犬とフェンス越しに遊んだり」
「悪いことはしていないですね」
「そうらしいな」
「それはいいですね、ですが」
「保護したからな」
「はい、後はです」
獣医はハイマーに言った。
「こちらでやらせてもらいます」
「センターの方でか」
「保護しますので」
「じゃあ大事にしてくれよ」
「必ず」
獣医はハイマーに笑顔で応えた、そうしてだった。
オオカミ犬は雄だとわかりシンダーと名付けられてだった。
ニューメキシコ州の狼の保護センターに入れられた。そこで暮らすことになったが。
どうも狼達と打ち解けない、それで獣医は提案した。
「オオカミ犬はオオカミ犬なので」
「狼じゃない」
「半分が犬で」
「じゃあオオカミとは打ち解けない」
「今一つ」
「ですからオオカミ犬にはオオカミ犬で」
それでというのだ。
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