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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第85話:果たせなかった言葉
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けたりすれば、全員捕まってウェル博士も連行される。そうなれば、ナスターシャ教授は――――――
「……やろう、切ちゃん。マムの所にドクターを連れ帰るのが私達の使命だ……」
「――絶唱……デスか」
「うぇへへへ……そう、YOU達唄っちゃえよッ! 適合係数が天辺に届く頃、ギアからのバックファイアを軽減できる事は過去の臨床データが実証済みッ! だったらLiNKERぶっこんで直ぐなら、絶唱唄い放題のやりたい放題ッ!!」
彼らの会話は颯人の耳にも入っていた。奏が実際にLiNKERを使用し、それで苦しんできた事を知っている彼からすればウェル博士の行動は外道以外の何物でもなかった。
しかしあの2人は、ウェル博士から受け取ったLiNKERを自らに投与し更には絶唱まで唄おうとしている。あんな少女達が、自らの身を削ろうとしている事に颯人は声を上げた。
「馬鹿止めろッ!? んな事してお前らただじゃ済まねぇぞッ! 奏だって、一歩間違えれば死んでたんだ!? お前らだって――」
「それでも――――!」
「やらいでか、デェェェェェェスッ!」
颯人の警告も無視して、切歌と調は自らにLiNKERを打ち、その口から絶唱を紡いだ。
「「Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el baral zizzl――」」
「あ――!?」
「絶唱ッ!?」
辺りに響く2人の絶唱に、颯人と響の顔色が変わる。絶唱の恐ろしさを身を以て知っている颯人は勿論、響も話に聞いて知っていた。特に奏があと一歩で命を落としていたかもしれないと言う事実には、話に聞いただけでも響を戦慄させていた。
「ダメだよ! LiNKER頼りの絶唱は、装者の命をボロボロにしてしまうって――!」
「女神ザババの絶唱二段構えッ! この場の見事な攻略法ッ! これさえあれば、こいつを持ち帰る事だって――」
「「Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el zizzl――」」
調と切歌の2人の絶唱……それは2人に命を削り力を与える。2人の身体とそれぞれのギアと同じ光が包み、その形状を変化させていった。
「ぐ、うぅ――!」
「うぅぅ――!」
力の奔流は2人の身体を蝕む。瞳孔が開き、苦悶の声が2人の口から零れる。
「シュルシャガナの絶唱は、無限軌道から繰り出される果てしなき斬撃。これで
膾
(
なます
)
に刻めなくとも、動きさえ封殺できれば……」
「続き、刃の一線で対象の魂を両断するのが、イガリマの絶唱。その前に、物理的な防御手段などありえないッ! まさに、絶対の絶対デェスッ! 例え魔法が相手であってもッ!」
シュルシャガナ
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