暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第85話:果たせなかった言葉
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、ソーサラーは彼を追い抜いていった。どうしたのかと首を傾げるが、その理由はすぐに分かった。
調と切歌の背後に、ウェル博士が忍び寄っていたのだ。その手にはトリガー式の注射器が握られている。
颯人を追い抜いたソーサラーは、ウェル博士に近付くと2人に迫っていた注射器を遮った。
「ッ! ソーサラー?」
「え?」
「何?」
ソーサラーの行動で、2人は背後でウェル博士が何かをしようとしていた事に気付いた。振り返りその手に注射器――しかも中身はLiNKER――が握られていた事に、2人はウェル博士に食って掛かった。
「何するつもりだったデスかッ!?」
「LiNKER?」
「効果時間にはまだ余裕があるデス!」
「だからこその連続投与ですよ!」
2人からの抗議に、しかしウェル博士は悪びれる様子も無く答えた。
「あの化け物共に対抗するには、今以上の力でねじ伏せるしかありません。その為にはまず、無理矢理にでも適合係数を引き上げる必要があります」
したり顔で答え、ウェル博士は中指で眼鏡を直す。
「でも、そんなことをすれば、オーバードーズによる負荷で――」
「ふざけんなッ! なんでアタシ達が、アンタを助ける為にそんな事を――!」
「するデスよッ! いいえ、せざるを得ないのでしょうッ! ソーサラーならともかく、あなた方が連帯感や仲間意識などで僕の救出に向かうとは到底考えられない事。大方、あのオバハンの容態が悪化したから、おっかなびっくり駆け付けたに違いありませんッ!」
ウェル博士の言葉にソーサラーが2人の事を見ると、図星なのか2人は渋い顔をしていた。ソーサラーはあの後ウェル博士を探して1人別行動をしていたので、ナスターシャ教授の容態が悪化した事を知らなかったのだ。
「病に侵されたナスターシャには、生化学者である僕の治療が不可欠――さぁ、自分の限界を超えた力で、僕を助けて見せたらどうですかッ!」
ウェル博士がそう言って囃し立てていると、2人と博士の間にソーサラーが割って入った。何も語らないが、手を自らの胸に置いている様子から何を言おうとしているかは分かる。
自分が居るから、2人にこれ以上負担を掛ける必要は無いと言いたいのだろう。
しかしウェル博士はそれに取り合わなかった。
「あなたには僕を守る盾でいてくれなくては困ります。いざとなったら、魔法で僕を安全なところまで送ってもらわなければなりませんからねぇ」
ソーサラーには絶唱などによる逆転の一発が無い。代わりにシンフォギアにはない高い防御力と転移による瞬間離脱が優れている。適材適所をよく分かっていた。
振り返れば、未だ苦しみながらも尚諦める様子を見せない響と彼女に合流した颯人の姿。このまま普通に戦ってもし負
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