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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第85話:果たせなかった言葉
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 そんな攻撃を喰らう颯人ではなく、余裕を持って躱すとソードモードにしたウィザーソードガンの二刀流で仕掛けた。二つの刃が煌めき、ソーサラーを切り刻まんと迫る。

〈デュープ、ナーウ〉

 颯人からの連撃を、ソーサラーは力技で跳ね除けた。一瞬で4人の分身を作り出し総勢5人となると、数の暴力で以って颯人の攻撃を弾き飛ばしたのである。

「イッテ!? 何だよ、お前ッ! お前もそう言う魔法使えんのかよ! 俺だってその魔法使わせてもらってないんだぞッ!?」

 以前何度かウィズが同じ魔法で複数人に分身し、複数のメイジを相手取ったのを見ていた。その時に颯人はウィズに同じ魔法を強請ったのだが、ウィズは彼の頼みを一蹴したのである。
 曰く、「お前にこれを渡したら何に使うか分かったものじゃない」からだとか。

 5人のソーサラーからの嵐の様な攻撃を、颯人は二刀流で何とか捌き囲みから抜け出す。

「くそっ! 俺が使える分身は、こういう奴だけなんだよ!!」
〈コピー、プリーズ〉

 ソーサラーに対抗してか、颯人はコピーの魔法で自分も分身を作り出す。しかしソーサラーのデュープとは決定的に異なり、彼の分身はそれぞれが独自に動くことは出来ない。彼と全く同じ動き、同じ容姿を増やす事だけだ。

 その代わり、この魔法には一つ優れている点がある。それは倍々ゲームでどんどん数を増やせるところだ。

「ジャンジャン行くぜ!」
〈コピー、プリーズ。コピー、プリーズ。コピー、プリーズ〉

 次から次へと数を増やした颯人は、分身をソーサラーの周りに作り出した。忽ちソーサラーは、総勢16人の颯人に取り囲まれる。

 これにはソーサラーも狼狽えた。人の事を言えた義理ではないが、この数の暴力はいくらなんでもあんまりだ。

 そんなソーサラーに向け、颯人は容赦なく集中砲火を喰らわせた。

 激しい十字砲火が5人のソーサラーを襲う。ソーサラーは障壁を張って銃撃を防ごうとするが、この数、しかも魔力全開の銀魔弾を全て受け止め切るのは難しかった。

 遂に障壁が割れ、ソーサラーは銃撃の嵐に晒される。分身体は次々消滅していく。

 だがここで予想外の事が起こった。最後の1人のソーサラーも消滅してしまったのだ。

「何ッ!?」

 全てのソーサラーの消滅。それが意味するところは一つしかない。ソーサラーはいつの間にかもう1人分身を作り出していて、颯人と戦っていたソーサラーは本物が分身と入れ替わっていたのだ。

 では本物は一体何処に?
 その答えは、本物の颯人の背後から現れた。

「ッ!? しま、がぁっ?!」

 完全に油断していた颯人は、背中に良い一撃を貰ってしまった。お陰でコピーした分身はすべて消失し、眼前にハルバードの切っ先を突き付
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