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提督はBarにいる。
艦娘と提督とスイーツと・70
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「はぁ?」

 提督は納得していない様子だ。だが、間違ってはいないしある意味真実を語ってはいるのだ。酒の飲みすぎで身体を壊し、長く好きな人の側に居られなくなるのは嫌だというのが休肝日設立の経緯なのだから、『健康の為』というのは決して嘘ではない。ましてや妹の思い人本人にバラす訳にはいかないだろう。絶対に。

「提督さんって、鋭い時と鈍い時のギャップが激しすぎますよね」

「んん???」

 ますます首を傾げる提督。そんな鈍感な提督の珍しい困り顔を眺めてクスリと笑いつつ、ザラはまたカタラーナを一口運んだ。とろける様な甘さの中に、ほんのりとカラメルが苦味のアクセントを加える。恋とはこんな味なのだろうか?提督とケッコンカッコカリはしているものの、提督に対してあまり恋心のような物を感じた事は無い。優秀な指揮官だとは思うし、頼り甲斐のある男性だとは思う。しかし、それまでだ。毎日のように妹から聞かされる可愛らしい恋の葛藤を聞かせられる内に冷めてしまったのだろうか?

『まぁ、傍観者も楽しいんですけどね♪』

 恋に焦がれる妹と、その思いに気付かない提督。そんな2人のやり取りを美味しいドルチェや食事を楽しみながら眺める。さながらディナーをしながらの観劇の様で、これはこれで楽しんでいた。

「提督?カタラーナお代わり♪」

「ん?おう」

 嗚呼、今日も妹の悶える姿を想像するとおやつが美味い。そんな事を考えながら、ザラはコーヒーを啜った。


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