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戦姫絶唱シンフォギアGX〜騎士と学士と伴装者〜
第3節「奇跡の殺戮者」
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そして、己の纏うシンフォギアの特性に則り、響は歌い始める。

同時に、空中から落下する勢いを足に乗せて屋根を貫き、俺達は炎に包まれた火災現場の中心へと降り立った。

『反応座標までの誘導、開始しますッ!』
「お願いしますッ!」

友里さんのナビゲートに従い、俺と響は炎の廊下を突き進む。
壁の向こうで助けを待つ人々を、救う為に──。

ff

「くッ、強い──ッ!?」
「やはりシンフォギアを持たない者ではこの程度……。歌を聴く意味も必要もありませんわ」
「ふッ!」

縦に、横に、袈裟懸けに。
緑の女が振り回しているのは、女の身の丈半分以上はあろう一振の直剣。

今やシンフォギアを持たず丸腰のマリィは、それらの剣戟を全て躱して跳躍する。

その間に俺は、倒れている丸刈りを担いで物陰へと移動させる。

生気を失った顔をしてはいるが、身体は無傷だ。ハゲと違って助かるかもしれない。
嫌いな奴ではあるが、生きてるのに転がしておくとか寝覚め悪いしなッ!

クソッ!Model-GEEDさえあれば、俺も戦えるのに……。いや、無い物ねだりしてもしょうがない。俺は今、出来ることをするだけだ。

「はああぁーッ!!」

振り下ろされた剣を躱し、その隙を突いて空中から繰り出すアクロバティックな回し蹴り。
マリィの細長く、しなやかな脚が女の後頭部を捉える。直撃(クリーンヒット)だ。

……だが。

女の両眼がギョロリと回った。
それも人間では絶対有り得ない、まるでカジノのスロットのような縦360度の不気味な回転。

「ッ!?」

直後、ぐるりと反転した女は、左手でマリィの脚を掴み、天井へと向けて放り投げる。

「……──しまったッ!?」
「マリィッ!!」

落下するマリィの真下には、天井へと掲げられた女の剣がギラリと光り……このままじゃ串刺しだッ!

(ダメ、避けられない──ッ!)

「マリィーーーーーッ!!」

クソッ!走ってもこの距離じゃ──






「はぁーーーッ!」

その時、聞き覚えのある声と共に滑り込んだ青い影がマリィを抱え、女の剣を逸らして飛んだ。

「翼ッ!?」
「どうしてここにッ!?」

着地した2人の方へと俺は駆け寄る。

窮地に参上したのは、先程までマリィと共に歌っていた日本が世界に誇る歌姫。そして、国連直轄タスクフォースS.O.N.G.に所属するシンフォギア装者……風鳴翼。
蒼き絶刀・天羽々斬のシンフォギアを身に纏う戦士である。

「友の危難を前にして、鞘走らずにいられようかッ!」

ちくしょう、かっけぇなぁ今の言い回し!!
まさに日本のSAMURAIって感じで……いや、彼女に言わせりゃSAKIMORI
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