四十九 トロイの木馬
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の意識が遠ざかった。気を失う。
反面、術をまともに受けた飛段は、【風遁・圧害】の風圧の直撃を受け、思いっきり吹き飛ばされた。
凄まじい破壊力で、あたりの木々が一斉に一掃される。
粉々になった大木の幹に下敷きになっていた飛段がむくり、と起き上がった。
「おい、角都!いきなり何しやがる!?」
「この程度でギャーギャー喚くな、馬鹿」
【風遁・圧害】の風圧を直撃しても、平然としている飛段に、シカマルは眉を顰める。
(不死身を利用したのか…)
不死身である飛段ごと攻撃を放った角都へ身構える。
一方、いのの術が解けて、以前の口ぶりに戻った飛段に対し、角都はマスクの下で軽く苦笑を零した。
「やはり寡黙なお前は似合わんな。馬鹿はそれくらい吼えるのがちょうど良い。煩いのは敵わんがな」
「どういう意味だよ!?」
「そのものズバリだ、馬鹿」
あえて沈黙することで、飛段を乗っ取っている事実を知られまいとしたいのの思惑を知らずに、途端にうるさくなった相方を前にして、角都は若干後悔した。
(あのまま静かなほうがよかったか…)
「来るぞ、チョウジ!」
「う、うん…!」
形勢を逆転される。
いのの【心転身の術】で飛段を駒にし、角都を追い詰めるつもりだったが、そう上手くいかない現実にシカマルは歯噛みする。
「ようやく身軽になったぜ」
いのに乗っ取られている間、身体の自由が利かなかった飛段が首をコキリと回す。
その傍らで、角都がチラリと背後の化け物の一体を一瞥すると、飛段に視線を向けた。
「お前にとっては目覚めてすぐだが、俺は飽いた。さっさと殺して木ノ葉へ向かうぞ」
「そーゆーこった、無神論者ども!せいぜい邪神様に詫びながら死ぬんだなァ!今すぐ邪神教に鞍替えすんなら、ちょっとは優しく殺してやるぜぇ!!」
「…こんなところで布教するな、馬鹿」
殺すのは変わりないものの、ここぞとばかりに邪神教を布教する飛段に、角都は嘆息する。
この場合、生きている邪神=ナルトのことも含ませているんだろうな…と内心、ナルトに同情しながら、角都は印を結んだ。
直後、能面の化け物の一体がぱかりと口を開く。
「【火遁・頭刻苦】!!」
能面が小さな火球を次々と吐き出したかと思うと、一気に炎が大きくなる。
辺り一面を火の海にする勢いで迫りくる炎に、シカマルは苦悶の表情を浮かべた。
刹那──。
「「【水遁・水龍弾の術】!!」」
水の龍が火の海を割る。
炎の渦を真っ二つに裂けるかのように、龍を象った水がふたつ、凄まじい勢いで火を打ち消す。
水の龍が
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