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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
ANSUR7其は天秤の狭間で揺れる最後の王〜Rusylion〜
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はやての言葉に従って後退すると、螺旋状の大きな穂を持つ魔力槍が高速で飛来。腕の1つが槍を防ぐべく盾となって、手の甲の盾が槍の直撃を受けた。槍は盾に突き刺さるどころか手の甲を貫通した。

「(アインスに続け!)凶牙・・・奈落刃!」

闇黒系魔力を乗せた“キルシュブリューテ”を振り上げ、シールド・バリア・結界などの貫通効果を有する7つの影刃を放った。5つの浮遊腕や、ルシルの両腕に装着されてる岩籠手が防御に動いた。奈落刃はわたしの闇黒系最強の魔法。同じ魔法なら・・・負けない。影剣は浮遊腕や籠手を貫通して、ルシルの防御を一時的に不能にした。

「ゲイ・ボルグ!!」

そこに、全体に魔力付加された“シュベルトクロイツ”を突き出してるはやてが、超高速で真上から突撃してきた。ゲイ・ボルグは、なのは直伝の突撃魔法マニューバA.C.Sの完全版で、はやての有する数少ない近接魔法だ。
ずっと俯いてたルシルがバッと顔を上げて、はやてを見上げたんだけど・・・。その途中で見えたルシルの表情に、わたしは「なによ、それ。ふざけんな・・・!」って怒りが湧いてきた。

――護り給え汝の万盾(コード・ケムエル)――

流星のごとく突撃してきたはやての攻撃を防ぐべく展開されたのは、無数の小さな円い盾を広く重ね合わせて作る大シールド。

『なんだ、その表情は! 卑怯者め!』

「泣きたいのは・・・こっちや! ルシル君!!」

そう。一瞬だけ見えたルシルの表情は、泣くのを我慢してるようなものだった。はやてもアインスも怒声を上げ、突撃の勢いを弱めることなくシールドに“シュベルトクロイツ”を突き立てた。剣十字の先端がシールドを貫き、ルシルの目の前で止まった。そして・・・

「『クリューサーオール!!』」

砲撃6連射がルシルを襲った。わたしでもその場に留まれないほどの魔力爆発が6回。両翼を羽ばたかせて、その衝撃と爆風を利用してわたしは空へと上がった。再び煙にルシル、それにはやての姿が覆い隠される。

『はやて! アインス!』

『・・・シャルちゃん。ルシル君の撃墜を・・・確認。勝ったよ・・・』

『・・・了解』

はやてからの報告にそう答えた後、「泣くくらいなら、初めからこんな事しないでよ!」って、姿の見えないルシルに向かって吐き捨てた。
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