第2節「新しい生活」
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るやつだ。
「お前っ……翼さんの弟だから、いい所の長男坊なのは知ってたけどよぉ……本物のメイドさんがついてるだなんて聞いてねぇぞ〜!!」
「いやメイドじゃないし。どちらかと言えばボディーガードみたいなもんだぞ?」
「似たようなもんだろぉぉぉ!?俺らパンピーには縁のない存在なんだから!!」
「紅介、何をそんなに騒いでいるのさ?」
「そんなの、会ってみたいからに決まってんだろ!?美人のメイドさん!!リアルで見られる事なんてそうそう無いんだからよ!!」
「出た、紅介の悪い癖」
我に返った恭一郎が、呆れて顔をしかめる。
紅介は中学の頃から美人に目がないんだよな……。お近付きになりたい、とまでは言わないんだが、美人は取り敢えず目に焼き付けたいとの事。
『付き合うとしたら、+4〜5は歳上の美人なお姉さんがいい』
『それ以上は恋愛対象というより、目の保養みたいなもの』
とかなんとか、好みのタイプについて議論になった時に言ってた気がする。
「一応言っておくが、春谷さんには既にお相手がいるからな?」
「気にしねーよ。ひと目見られればそれでいいッ!」
「そ、そうか……」
美人を目に焼き付けられればそれでいいんだな……。
その中でも格別なのが、奏さんってわけだ。
まあ、会わせるくらいなら問題は無いか……。
それにしても、父親か……。
俺も姉さんも、学校行事に父さんが来た事は一度もないな……。
政府情報官としての仕事で多忙な父さんは、俺が九皐叔父さんの所に預けられる前からそうだった。
子供心に不満だった事は覚えているが、同時にそれがこの国のため……俺達が平和に暮らしていける世界のためだと、中学に上がる頃には不満だと思うようにはならなくなった。
人に誇れる立派な父だ。でも、もう少し父親らしい所を見せてくれてもいいんじゃないか、と思ってしまうのは我儘だろうか?
10年近く経つけど、姉さんとも未だに仲直り出来そうにないし……。
ホント面倒臭い親子なんだろうな、俺たち。
ff
ポテチ、ポッキー、クッキーにドーナツ、マカロン。テーブルに並べられた大量のお菓子。
2Lペットボトル入りのジュース数本。
そしてソファーに並んで座る顔見知りの面々に、雪音はコップを乗せた盆を手に、片眉をヒクヒクさせながら呟いた。
「……で、どうしてあたしン家なんだ?」
「すみません、こんな時間に大人数で押しかけてしまいました」
響の友達で、お淑やかな金髪セミロングの少女、寺島詩織が頭を下げる。
「ロンドンとの時差は約8時間半ッ!」
「チャリティロックフェスの中継を皆で楽しむには、こうするしかないわけでして……」
一昔前のTVアニメ『電光刑事バン』のロゴTを着たツインテ
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