第2節「新しい生活」
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のプニった二の腕も、ヒンヤリしててクセになる……」
そう言って調は手を離すと、切歌の二の腕をぷにっと摘む。
「お二人とも、最近はいつもこんな感じなんですよ〜」
「へぇ……」
「流星、お前なぁ」
いつも、というセレナの言葉に反応したのは、翔のクラスメイトである紫髪の双子。その弟の方だ。
何やら羨ましそうに、調の手をまじまじと見つめる大野流星。
静かに嫉妬している弟を、兄の飛鳥は苦笑いしながら横目で見ていた。
「それ、本当なの?……ぷにっ」
「いやーッ!やめてとめてやめてとめてやめてあ〜ッ!」
確かめるように、響の二の腕をプニり始める未来。
頬を緩ませながら嬉しそうに悲鳴を上げる響。
その光景を見て──
「──ッ!……そういう事は、家でやれ」
頬を赤らめたクリスのカバンが、再び響に直撃した。
「いいなぁ、立花さん……」
「恭一郎くんも、して欲しい?」
「へっ!?あっ、いや、えっと……!」
未来からの不意打ちに、恭一郎は思いっきり吃る。
周囲の視線が一気に恭一郎へと集まった。
「ほらほら恭一郎よぉ、据え膳食わぬは男の恥だぜ?ここは素直に、正直に『はい』って答えるべきだよn──」
「紅介ぇッ!!」
「うぉああっ!?ちょっ、待てよ恭一郎ッ!締めんな!首は締めんなぐるじぃだろぉぉぉッ!!」
恭一郎を背後からニヤニヤしながら冷やかした赤毛の少年は、穂村紅介。
悪ノリと冷やかしが大好きな紅介は、今回思いっきり恭一郎の虎の尾を踏んだのである。
「冷やかし方が鬱陶しいんだよ!!観念しろ!!」
「締まる締まる!!ア゛ーッ!ギブ!ギブ!悪かったってえぇぇぇぇッ!!」
笑いと呆れの入り交じる、騒々しい朝。
少年少女の日常は、今日も平和な朝から始まっていた。
ff
「な〜〜〜んでかなぁ〜〜〜」
窓の外を見つめる紅介のクソデカ溜息が、体育館の天井へと消えていく。
「紅介、それさっきから何回目だ」
「だってよぉ!!女子はプールの授業だってのに、なんで男子は体育館でバレーボールなんだよぉぉぉ!!」
床に膝を着き、絶望の叫びを上げる紅介。
飛鳥を始め、その場の全員が呆れた顔でそれを見ていた。
「当たり前だろ……。もう小学生じゃないんだぞ?」
「どうして小学生まではよくて、中学からはダメなんだよ!?」
「そりゃあ……思春期に入るからに決まってるだろう?思春期の学生男女が薄着で水場だなんて……ふっ、不健全だ!」
「何が不健全なんだよ!?言ってみろよ!!」
「……わざわざ言語化しなくちゃ分からないのか?」
「おーおー、恥ずかしいのかよ焼き鳥よぉ?」
「なっ
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