第2節「新しい生活」
[1/9]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
翌朝
「クリスちゃーんッ!──ぐわっ!?」
リディアンの校門にて。
クリスに飛びつこうとした響は、クリスの反撃で頭にカバンを叩き付けられていた。
「あたしは年上で、学校では先輩ッ!こいつらの前で示しがつかないだろ?」
「まあまあクリスちゃん、その辺にしてあげてよ」
「フンだ」
純に宥められ、そっぽを向くクリス。
頭を撫でながら立ち上がる響に、翔は手を差し伸べる。
「あいたたた……痛いよ〜クリスちゃ〜ん」
「そういうとこだぞ、響」
「ええ〜。クリスちゃんはクリスちゃんでしょ〜?」
「もっぺんぶちかましてやろうか?」
「クリスちゃん、ステイ、ステイ」
響とクリスの戯れと、もはや保護者と化す翔と純。
「もう、響ったら」
「2人とも、朝から元気だね」
もはや定番となった光景を見守る響の親友、小日向未来と、翔のクラスメイト、加賀美恭一郎。
そして2人は、クリスの隣にいた後輩達に目を向ける。
「おはよう。調ちゃん、切歌ちゃんセレナちゃん」
「おはよう、ございます……」
「ごきげんようデースッ!」
「みなさん、おはようございます」
登校してきたのは物静かな黒髪ツインテールの少女、月読調と、ハイテンションな金髪バッテン印の少女、暁切歌。
そして大人しそうな顔をした、茶髪ロングの少女、セレナ・カデンツァヴナ・イヴ。
大親友同士の調と切歌は現在、S.O.N.G.が管理しているマンションに二人暮らしで生活している。
響や翔、クリスや純が暮らすマンションからは離れているが、どちらもいわゆる待機寮のようなものだ。少女達の二人暮しに付き纏う心配は、殆ど無用である。
一方、セレナの方はというと、学校に通える程にまでは回復したものの、まだリハビリが完了したわけではない。
そのため、S.O.N.G.の医療施設から通っている状態だ。
だが、主治医のアドルフ博士曰く、今の調子であれば秋までにはリハビリが終わるという診断が出ており、退院出来る日も近いだろう。
セレナ本人も、退院したら調や切歌と同じ部屋に住むのだと意気込んでいるそうだ。
「暑いのに相変わらずね。……あら?」
未来がふと視線を落とすと、なんと二人は手を繋いで登校している。
梅雨が終わり、そろそろ夏日が厳しくなってくるこの時期にしては、スキンシップが過剰だと言えなくもない。
「おやおや、手を繋いでるなんて。暑いのに相変わらずだね」
恭一郎にそう言われ、繋いだ手を上げて見せる切歌。
「いやいや、それがデスね。調の手はちょっとヒンヤリしてるので、ついつい繋ぎたくなるのデスよ」
「……そういう切ちゃん
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ