第二章
[8]前話
「私も最初見て驚きました」
「あのペンギンを」
「キングペンギンですが」
その種類についても話した。
「群れとはぐれて」
「そうしてですか」
「ここに辿り着いた様で」
「それでいますか」
「はい」
そしてというのだ。
「一羽で彷徨っていると馬達の中に入って」
「受け入れられたんですか」
「見ていると馬達の方が誘う感じで」
「馬の群れの中に入って」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「今ああして」
「いつも一緒にいますか」
「はい、ただペンギンなので草は食べないので」
そこは馬と違っていた。
「私達が魚をあげています」
「餌をですね」
「はい、そして」
それでというのだ。
「一緒にいます」
「そうですか」
「とても仲がいいですよ」
実際に仲良くしている彼等を温かい目で見ていた、そのサラクの話を聞いてからだった。
コーネルはダイアナに話した。
「馬は優しいからね」
「だからなのね」
「ペンギンも受け入れるんだね」
「種類は違っても」
「イタリアではのどかな一面を見せてくれて」
冬の森でのその時のことも思い出して話した。
「そしてね」
「ここではなのね」
「優しい面を見せてくれたんだ」
「そういうことね」
「馬はいい生きものだね」
恋人に笑顔でこうも言った。
「そのことがわかったよ」
「それは何よりね」
「いい学問になった、じゃあこのままね」
「この保護区を巡って」
「楽しんでいこう」
「わかったわ」
ダイアナはコーネルの言葉に頷いた、そうしてだった。
二人はフォークランドも楽しんだ、今回の旅行も楽しんだ。そして馬を前以上に好きになったことを実感した。その優しさを見たので。
穏やかな馬達 完
2021・6・18
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