第一章
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猫への手紙
イギリスのポーツマスに住んでいるジャネット=マイヤーは家の猫である黒と白の模様の雌猫を見つつ有人に話した。
「やっとなのよ」
「ああ、頭をなのね」
「撫でられる様になったの」
その巨大な九キロはありそうな猫を見て話した。二人共白い肌だがジャネットはグレーの目で友人は黒だ。ジャネットの鼻はかなり高く背もだ。友人は金髪だがジャネットは黒く波がかった髪である。
「そうなったわ」
「随分時間がかかったわね」
「八年よ」
ジャネットは笑ってその歳月を話した。
「野良だったこの娘を拾って」
「八年ね」
「それだけかかったわ」
そうだったというのだ。
「本当に長かったわ」
「それまで撫でようとしたら」
「噛み付いてきたのよ」
そうしたらというのだ。
「いつもね」
「元野良だから警戒して」
「というか何故かね」
「それは嫌だったのね」
「ずっとね、ただ」
それでもというのだった、ここで。
「それでもだったのよ」
「ええ、オードリーはね」
友人は欠伸をした彼女を見つつ話した。
「実はね」
「あんたが寝てるとね」
「お家に来て最初からね」
その頃からと言うのだった。
「私が寝てると」
「寝室に来て」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「私の傍で寝てるのよ」
「同じベッドでね」
「そうなのよ」
友人に笑顔で話した。
「これがね」
「本当に懐いていないなら」
「そんなことしないわね」
「猫は頼れる相手の傍にいるものよ」
友人はジャネットに笑顔で話した。
「本当に嫌ってるとね」
「近寄らないわね」
「そもそもお家にも来ないでしょ」
「そう、ずっと野良でね」
誘っても来ないでというのだ。
「そうしてね」
「それでよね」
「それが猫だから」
ジャネットも言った。
「とてもよ」
「懐いていないなら」
「最初からね」
「そうね、しかも涎もよね」
垂らしてというのだ。
「私の顔にかけてきたり」
「そこまで安心して寝ているのね」
「涎出してまでね」
気持ちよく熟睡してというのだ。
「そうしてね」
「それでずっと夜は寝ていて」
「朝私が起きる頃になると」
その時のことも話した。
「私が気付いていないと思って」
「それで気付かれない様にして」
「ベッドから出るのよ」
「そうしてるのね」
「けれどわかるわ、物音がするとすぐに起きるし」
今は丸くなって寝ている彼女を見て話した。
「そもそも九キロもあるのよ」
「猫としては凄い大きさね」
「だから」
それでというのだ。
「もうね」
「ベッドに来たらわかるわね」
「それだけ大きいから」
猫としてはかなり大きいからという
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