第1節「S.O.N.G.始動」
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たりめぇよッ!このあたし様に任せておきなッ!」
「そうだな。よく見てやってくれ」
「了解です、師匠ッ!」
「しっかり任されますッ!」
元気のいい返事と共に、ビシッと敬礼する響と翔。
と、ここで響は何やらニヤニヤしながらクリスの方を振り向く。
「……ところでクリスちゃん、この前調ちゃんとも話してたんだけど、もうすぐだね〜。翼さんとマリアさんのライブ」
「ん?ああ、そうだったな」
「クリスちゃんも勿論見るよね?ね?」
「当たり前だろ?せっかくの先輩達の晴れ舞台だしな」
「クリスちゃんの家って、テレビおっきかったよね?」
「ん?ああ、割と大きい方だったかな。それがどうかしたのか?」
「何でもないよ〜。いや〜、本当に楽しみだよね〜ッ!」
如何にもわざとらしい、含みのある笑みを見せる響を訝しむクリス。
翔はこっそり、純へと目配せする。
純は何も言わず、ただ笑顔で頷いた。
「……なんか気持ち悪いな、お前。何かおかしな事考えてるんじゃねーだろうな?」
「ううん、何も〜」
「やれやれ……」
どう見ても何やら企んでる響の顔を、翔は肩を竦めながら見守るのだった。
ff
その日の夜の事。
「……ふぅ。今日の資料整理はこれで完了、と」
「はい、あったかいものどうぞ」
「あったかいものどうも」
仕事を片付け、友里のコーヒーで休憩する藤尭。
「バビロニアの宝物庫が閉じた事で、あれからノイズの出現も無くなってるし、このまま大きな事件もなく、定年まで給料貰えたら万々歳なんだけど──」
その時、発令所の照明が暗転し、アラートが鳴り響く。
探知機が捉えた反応がスクリーンに表示され、友里は慌てて自分の席のモニターを確認する。
「──横浜港付近に未確認の反応を検知ッ!」
しかし、アラートは4回ほど鳴った所で消え、照明は通常時のものへと戻る。
モニターには『LOST』の表示と、反応が消えた横浜港周辺の地図が出ているのみであった。
「──消失……?……急ぎ、司令に連絡をッ!」
「了解ッ!」
ff
同じ頃。ネオン煌めく横浜港大さん橋ふ頭付近。
先程S.O.N.G.の探知に引っかかった未知のエネルギー反応、その主は──
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
逃げるように、息を切らしながら、ただひたすらに走り続けていた。
小脇にはダイヤルのようなものが三列並んだ小箱を抱え、黒いローブに身を包んだ小さな足がアスファルトを蹴る。
その足元を狙うように、光沢を放つ弾丸のようなものが、金属音を立てて発射される。
転び、しかしそれでも進まなくては、とすぐに立ち上がり、電話ボックスの陰に隠れる黒ローブ。
明らかに追われているのが見て取れる
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