第1節「S.O.N.G.始動」
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く映ったのは、先程放たれたミサイルであった。
「くうっ……あぁッ!?ミサイル……俺達を撃墜する為に!?」
「致し方なしか……」
もう自分達は助からない。
諦め、祈る様に目を閉じる二人。
──その時である。
『へいき、へっちゃらですッ!』
「ッ!?」
通信より響く、少女の声。
思わず幻聴かと目を開くと、通信機のイコライザーは間違いなく上下している。
『だから──生きるのを諦めないでッ!』
そして、乗組員達は信じられない体験をする事となる。
「始まる歌」
「始まる鼓動」
「響き鳴り渡れ希望の音」
燃え尽きそうな空。足音を立てて迫って来ていた筈の死。
そこへ……歌が聴こえてきたのだ。
「『生きることを諦めない』と」
「示せッ!」
「熱き夢の」
「幕開けをッ!」
打ち上げられたのは死ではなく、希望。
展開されたミサイルの中から、5つの人影が飛び出していく。
「爆ぜよッ!」
「この」
「奇跡に」
「「「嘘はないッ!!」」」
そして今、星の海と故郷の境界に、戦姫と戦騎が飛び立った。
ff
シャトル救出から100日ほど──
「2人とも、新しい司令室には慣れたようだな」
「ええ。二課の時のクセが抜けきらず、時々戸惑うこともありますけどね」
友里は、新しい制服の袖に輝くエンブレムに目をやる。
鍵盤と剣が描かれた盾のエンブレム。
そこには『S.O.N.G.』と、国連より授かった新たな組織名が刻まれていた。
「『Squad of Nexus Guardians』、略して『S.O.N.G.』。シンフォギアを扱う私達に相応しい部隊名ですよね」
「とはいえ、シンフォギア・システムを初めとする異端技術を、目の届く所で管理したいという国連の本音も透けて見えますが」
苦笑いする藤尭。しかし弦十郎は、知ったことかと笑い飛ばす。
「お上の思惑など、どうでも良いさ。我々二課が国連直轄のS.O.N.G.として再構成されるきっかけとなったシャトル救出任務──ナスターシャ教授の亡骸を帰すためという、いささか私的な目的もあったが、実際にあの事件が持つ意味は大きかった」
先のシャトル救出の功績を受け、二課は国連からスカウトされたというわけだ。
二課としてもあの事件の際、安保理との手続きでギリギリまで出動できなかった事もあり、今後、国外での任務の際に素早く動けるよう、その提案に乗った形となる。
「まあ、その過程でK2の標高を世界3位に下方させちゃったのは、私としても想定外なんだけどね〜」
「それは……まあ……」
救出の際、K2との衝突が回避できないと判断した瞬間、ミサイルによる爆撃と弦十郎仕込みの正拳突きで
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