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魔術QBしろう☆マギカ〜異界の極東でなんでさを叫んだつるぎ〜
第1話 約束は果たすとしよう
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本来とは別の抑止力によって人間性を与えられるというイレギュラーの中ではそうはいかないらしい。

「救えというが、具体的には何をどうしろというのだ?」
<ある女の子たちに、手を貸してあげてほしいんです。どうすればいいかは、きっと自然にわかっていくと思います>
「それはまた、アバウトだな」
 曖昧な説明に軽く呆れると、<ごめんなさい>と謝られた。
「では、最後の質問だが」
 一息おいて、尋ねる。
「私で力になれるというのかね? 正義の味方になりそこなった掃除屋に?」
 皮肉を利かせて尋ねてみれば、優しい声で返答を受けた。
<貴方だからこそですよ。掃除屋になっても、正義の味方を頑張っていくって笑うことのできた貴方だから>
「くっ、了解した」
 そこまで言われれば、自分の答えは1つだ。

「わかった。私に何ができるか知らんが、力を貸すとしよう」
<本当ですか!?>
 気色に満ちた声に、何度目かの苦笑いが浮かぶ。
「そこまで期待されたのなら、その期待に応えるのも悪くはなかろう」
 それに、と付け加えて言葉を続ける。こんな時に、あの未熟者ならばこう言っただろう。
「救える者がいるのであれば、救うのが当然ではないかね?」
 そう皮肉気に笑って見せた。少しの沈黙が流れ、やがて穏やかな声が返ってくる。
<やっぱり、貴方に頼んでよかった>
 その言葉が終わるが早いか、強い引力を覚える。どうやら、現世へと送られるらしい。マギカの抑止力が救済を望む人々のいる世界へ。

<今からあなたを送る世界は、貴方が生きてきた世界と似ているようで全く異なる世界です>
 頷く。そもそも、魔術が存在しないという時点で別物だろう。
<そして、その世界では私は全く干渉できません。というか、私が干渉しないからこそあり得る世界ともいえるんですけど>
 さもありなん。言っていることは完全には理解できないが、そもそも自身で干渉できるのならばわざわざ自分に助力を乞わないだろう。
 そうして話している間にも、自分が現世へ近づいていることを実感していく。

<あ、それから言い忘れてました>
 今にも現界しようというその時に、マギカの抑止力が言った。その声音に、何やら嫌な予感がする。どうにも、そこから感じられるのはあかいあくまのうっかりと同質のものに思えてならない。
<向こうへ行くと、貴方は人間の姿じゃなくなっていると思います>
「……なに?」
 そして、あっさりととんでもない事実が告げられた。
<詳しいことは、解析の魔術というものを使ってもらえばわかると思いますから>
「いや、ちょっと待て! 人間の姿ではなくなるって、一体何になるというんだ!?」
<大丈夫ですよ、見た目はとっても可愛いですから>
「ちょっと自信あり気に言うな! 余計不安になる
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