暁 〜小説投稿サイト〜
魔術QBしろう☆マギカ〜異界の極東でなんでさを叫んだつるぎ〜
第1話 約束は果たすとしよう
[4/10]
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
しい。分身を送り出すことくらいはできると思うが、抑止力とは単体で成り立つものなのだろうか。そして、ガイアやアラヤはさん付けするものなのだろうか。
<私、抑止力としての仕事がすごく限定的で、その分世界への干渉もすごく限られているんです>
「だから、別の抑止力の力を借りたい、と?」
<それだけじゃないんです>
言って、マギカの抑止力が少しの間を置いた。
<何よりも、貴方が自分でない自分の可能性を信じた人だったから>
その言葉に、眉が反応する。
<自分とは違う生き方を、もう1人の自分に示してあげられた人だから>
「それは、他にも自分でない自分を持つ人物に心当たりがあるということかね?」
<……はい>
弱々しく返された肯定の声に、なんとなく察しがついた。
「それが、君が救ってほしい相手の中にいるわけか」
<……すっかり、お見通しみたいですね>
「これだけ聞けば、見通すなという方が無理だと思うがね」
<そうですね>
マギカの抑止力が苦笑したように言った。
<これは、私のわがままなのかもしれません>
自嘲気味の声で、新人の抑止力は語る。
<その人が出した決断は、間違ったものじゃないって、そう思ってます>
けど、とマギカの抑止力は続けた。
<その人が別の選択をしたら、他の形で皆を救う選択ができたら、そんな世界も見てみたいなって、そう思ってしまったんです>
そこまで語られると、そこで声の調子が少し変わった。
<そんな時、貴方のことを知りました。自分の過去と対峙して、過去の自分がこれから歩いていく道に希望を見出した貴方なら、きっとその人たちの新しい希望になってくれると思うんです>
僅かに熱を感じさせる声の調子に、苦笑を漏らす。
「抑止力ともあろう存在にそう買われるとは、私も捨てたものではないな」
言って、聞くべきことを確かめる。
「君に力を貸したとして、私は私として行動できるのかね?」
それだけは確認しなければいけなかった。霊長の守護者の様に、己の意思もなく動く触覚などは願い下げだ。
<それは大丈夫です。皆には、貴方自身に会ってほしいですから>
つまり、守護者の様に意思を剥奪されはしないらしい。そのことに、思わず安堵の息をつく。
「魔術の方はどうなる? 別種の抑止力として派遣されるとなると、力の行使に影響は出ないのか?」
<そうですね。貴方に行ってもらいたい世界に魔術は存在しませんが、使うだけなら問題ないようにできます。ただ、固有結界、でしたっけ? あれを展開すると、どうしても修正力が働いてしまうと思います>
「そうか」
仕方がないといえば、仕方がないだろう。通常、固有結界の展開には世界からの修正力が常に働く。英霊であるエミヤは世界の一部となっているためにそれを免れているが、
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ