第二章
[8]前話
「キャン」
「キャンキャン」
「ワオン」
オセローとデズデモナはクレイブと会うとだった。
早速三匹で仲良く遊びはじめた、クレイブは毛並みもよく肉付きもそうだった。そして元気に遊ぶ姿は幸せそのものだった。ジャスティン夫妻と話すことも幸せに満ちたものだった。
カレブは犬達を連れて妻と共にイギリスに行った、すると。
スーパーに一匹の白く垂れ耳の大きな犬がいた、その犬を見ていると初老の警備員が来て言ってきた。
「この子は雄でフレディーといってディビット=チェリーさんの飼い犬なんだ」
「そうなんだ」
「飼い主が買いものに行っている間は雨でもこうしてだよ」
「ずっと待っているんだ」
「そうなんだ、そして私。イーサン=デアマンというんだが」
警備員はここで名乗った。
「雨の日は傘をさしたりして」
「助けているんだね」
「いい子よ」
グレーの髪の毛で緑の目で白い肌の二十代の痩せた女性も言ってきた。
「この娘はね」
「貴女は」
「メル=グレイシー、一度この子をSNSにあげたことがあるの」
「そうなんだ」
「それが世界的に話題になってね」
イーサンが笑顔で言ってきた。
「この子もちょっとした有名人だよ」
「こうしていつも家族を待っているの」
メルはまた話した。
「真面目で大人しくて頭がよくてね」
「とてもいい子よ」
カレブと彼女の一家に話した、妻も二匹のチワワもそんなウレディーをじっと見ていたがやがて。
「フレディーお待たせ」
「ワンッ」
金髪の袋の中に色々なものを入れた若く美しい女性が来るとフレディーは尻尾を振って立ち上がった、そうして。
彼女のところに来て一緒に帰った、その彼を見てからイーサンとメルはカレブ達に話した。
「この通りだよ」
「いい子でしょ」
「そうだね、犬がずっと座っているのは待っている」
誰かを、というのだ。
「その待っている姿にこそ犬の賢さと心が出ているね、実は」
カレブは二人にクレイブのことも話した、すると二人も笑顔になった。そして。
二人と別れてイギリスからアメリカに帰ってだ、チワワ達が家でじっと座っているのを見て妻に言った。
「ご飯を待っているね」
「そうね、それじゃあね」
「すぐにご飯をあげよう」
「お水もね」
夫婦で話してご飯をあげた、するとだった。
二匹はすぐに立ち上がってご飯を食べた、夫婦はそんな彼等を見てあらためてわかった。犬がずっと座っている時はどうしてなのかを。
犬が座っている理由 完
2021・6・16
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