第二章
[8]前話
「深刻なトラウマを抱えていますね」
「保護した時は腰を怪我していました」
「ロープが身体に付いていました」
「どうも誰かに酷い虐待を受けていたらしくて」
「私達にも心を開いてくれません」
スタッフの者達はこうホークに話した。
「名前はジェニーと名付けたんですが」
「私達があげた毛布を抱いて」
「それで、です」
「ずっとああしてじっとしています」
「怯えきっていて」
「そうですね、では」
ホークはジェニーを見ながら学者として考えつつ言った。
「徐々にでも」
「はい優しく接していって」
「暖かい目を向けていきましょう」
「ご飯もあげて」
「そうして」
「トラウマを癒すのも私達の仕事です」
だからだとだ、ホークはこうも言った。
「ここはそうしましょう」
「そうですね」
「徐々にでも」
「いつも優しくしていきましょう」
「そして信じてもらって」
「心を開いていきましょう」
「私達は絶対に酷いことはしません」
ホークは言い切った。
「そのことをわかってもらいましょう」
「是非」
「そうしていきましょう」
スタッフ全員で言った、そしてだった。
ホークも他のスタッフ達もジェニーにいつも優しくしていった、それでも彼女は心を閉ざし続けていたが。
少しずつだ、心を開いて。
そうしてホーク達と接する様になった、ホークはすっかり明るくなった彼女に笑顔で色々と教えていた。
「ここはこうすればいいからね」
「キキッ」
明るくなったジェニーは嬉しそうに彼から教わってその教わったことを実践していった、もう心は開いていた。
その彼女と一緒にいた後でホークはスタッフ達に話した。
「チンパンジーも心がある、だからね」
「その心を大事にしないといけないですね」
「我々と同じ心があるから」
「だからですね」
「うん、心を持って一緒にいよう」
ママ、そしてジェニーのことを思いつつ言うのだった。そしてジェニーとも他のチンパンジー達と真心を尽くして接していくのだった。確かな愛情を持って。
チンパンジーの幸せ 完
2021・6・16
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