合格??
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分かる。だからこそ次の一撃で終わらせる。それがハルマなりの2人への敬意を表する方法だからだ。
「……呆れた奴らだ……」
「んだと……?」
「これで終わりだ」
ハルマの言葉に2人は警戒を高める。だが、そんなものは意味がないとハルマは笑う。両手で十字印を結び、実体のある分身_影分身の術を使って一体の分身を作り出す。
互いに異なる印を結び、術を発動させる。口から放たれたのは龍を模る雷と炎。
「雷遁・雷龍弾の術!」
「火遁・火龍弾の術!」
2体の龍がレツとカナを喰らった。
レツが目を覚ました時。そこは森の中ではなく、白い壁に囲まれた部屋の中だった。ベッドから身を起こせば、壁にもたれかかって書物を読んでいるカナとハルマの姿に気付く。
「起きたか……もうすぐ先生も来るだろう」
カナの一言にレツは顔を俯かせ、シーツを握りしめる。
「……そっか……負けたのか‥‥オレ……」
夢の為に必死にやった。だが、届かなかった。その事実が深く胸を抉る。下忍になりたかった。その思いが涙となって頬を濡らす。
「また出直しだな。私もお前も……」
カナの言葉にレツは目元を乱暴に拭う。また次のチャンスを待って、頑張るしかない。思いを新たにして気持ちを切り替えたレツはハルマの前に立つ。
「すぐに追いついてやるから覚悟してろよ??」
レツからの宣戦布告をハルマは鼻で笑う。何がおかしいのかと憤るレツにハルマは意味深な言葉を告げる。
「いいや。だが……まだ終わりって決まったわけじゃないだろ」
どういう意味なのか分からず、聞き返そうとするレツだが、そこへリンネが部屋の中に入って来る。
「みんなお疲れ様!少しは仲良くなれたかな?」
「さてと。これで今日の演習は終了!早速明日から任務があるから遅れないようにね!」
そう言うとリンネは3人に明日の集合場所と時間、持ち物が書かれたプリントを渡し、踵を返す。
これに驚いたのはレツとカナだった。不合格になり、忍者学校に逆戻りだと思っていた2人は状況についていけていない。
「ちょ、待ってくれよ!巻物を持ってきた奴が合格なんじゃねーの??」
「うん?私はあくまでも君たちの実力が下忍としてやっていけるのかを測りたかっただけだからね。巻物争奪戦にしたのは君たちがどう動くのかを知りたかったからだし」
レツの問いに彼女はあっけらかんと答える。クスクスと笑い、「合格おめでとう」と彼らに告げる。
「それでは私たちは明日から下忍として任務に従事するという事ですか」
「うん!明日から頑張ろうね!」
「いよっしゃぁああああああ???? 」
レツの叫びが部屋にこだまする。耳を塞ぎ、
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