第六百十七話 地獄の甘さその十三
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「どうしても」
「そうなんですね」
「そしてこうした段重ねも」
「マウリアではないですか」
「しますが二段ですね」
「それ位ですか」
「五段はないです」
ラメダスが頼んだそれはというのだ。
「そして十二段は」
「もっとないですか」
「それはもう曲芸です」
そのレベルだというのだ。
「よく出来ましたね」
「いえ、実家アイス屋で」
それでとだ。店員はベッキーに笑って話した。
「こうしたことはです」
「いつもですか」
「していますから」
実際に店員は実家での仕事を思い出しながら話した、十二段だけでなく十五段を作った時のことも想い出していた。
「慣れてます」
「いつもですか」
「はい、本当に」
「だからですか」
「僕にとっては曲芸ではなくて」
「普通なのですね」
「はい」
そうだというのだ。
「まことに」
「そうですか」
「美味しかったです」
ここでセーラが笑顔で言ってきた。
「やはり連合のアイスはいいですね」
「コーンも召し上がられましたね」
「コーンも美味しかったです」
「そういえばコーンも」
店員は先程食べたマウリアのアイスのことをここでまた思い出した。
「連合のものの方が」
「美味しかったですね」
「同じコーンなのに」
食材も作り方も同じなのにというのだ。
「連合の方が」
「そうでしたね」
「はい、それもやっぱり」
「お話した通りです」
「だからですか」
「連語のコーンの方が美味しいです」
こう店員に話した。
「技術や文明はお料理にも関係します」
「それじゃあ文明が進んでいる方が」
「料理は美味しいです」
店員に笑顔で話した、そうしてだった。
セーラ達は店員と別れた、そのうえで次の場所に向かった。
地獄の甘さ 完
2021・4・24
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