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八条学園騒動記
第六百十七話 地獄の甘さその十一

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「それは」
「左様です」
 こう言うのだった。
「このことは」
「実際に両方召し上がるとわかりますね」
「ええ、甘さは凄くても」 
 マウリアのアイスはだ。
「それ以外は」
「何かとですね」
「食感とか冷たさの後の心地よさとか」
「そして溶け方もですね」
「口の中のそれも」
「連合の方が上ですね」
「そう思いました」
 実際に食べてというのだ。
「僕は」
「はい、実はです」
 セーラは店員に話した。
「それには理由があります」
「設備と食材ですか」
「そして調理技術です」
 これもというのだ。
「関係しています」
「連合の方がいいんですか」
「どれも」
「それでこれだけ味が違うんですね」
「三百年の違いがあります」 
 セーラはこうも言った。
「連合と他の国とでは」
「マウリアもですか」
「そうです、技術や文明のレベルが違うので」 
 まさに三百年というのだ、セーラはマウリア出身でエウロパに行ったことがあり今連合にいるからわかるのだ。
「それで、です」
「アイスもですか」
「味が違います」
「そうですか」
「甘さはマウリアの好みです」
 それに過ぎないというのだ。
「ですが全体的なものは」
「そうした技術の違いですか」
「そして文明です」
 これの違いもあるというのだ。
「ですから」
「味が違うんですね」
「食材も」 
 話の中にあったこれもというのだ。
「育てることからしてです」
「違いますか」
「家畜の時点で」
「鶏も牛も」
「お砂糖も」
 鶏卵の元も牛乳の元もで砂糖もというのだ。
「その全てがです」
「連合の技術で育てられて」
「栽培されているので」
 それ故にというのだ。
「それ自体の味もです」
「連合の方が上ですか」
「かなり」
「三百年違っていて」
「左様です」
 そうなっているというのだ。
「そして食材の保存状態もです」
「卵やお砂糖の」
「そして牛乳も」
「だからこんなに味が違いますか」
「はい」
 そうだという返事だった。
「まことに」
「その違いが出ていますか」
「同じお料理を同じ食材と調味料で作りましても」 
 ラメダスも言ってきた。
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