第二百七話 冬の進軍その十
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「やり方でな」
「そうですか」
「それではですね」
「これからですね」
「ああ、帝国の法に従うことを条件にして」
身分や階級がそのままでというのだ、当然立場や財産も。
「いいからな、ただ民はな」
「はい、傷付けない」
「それは決してですね」
「しないことですね」
「ああ」
それはというのだ。
「若し銅貨一枚でも奪ったらな」
「その時は、ですね」
「極刑ですね」
「それで以てですね」
「ああ、誰でもな」
例えそれがどれだけ高位にある者でもというのだ、久志はこのことは真剣な顔と声で騎士団の者達に語った。
「文字通り八つ裂きを覚悟しておけよ」
「わかりました」
「そのこと承知しました」
「そして乱暴もですね」
「なりませんね」
「その手を掴んだだけでな」
まさにそれでというのだ。
「いいな」
「はい、その時も同じですね」
「八つ裂きですね」
「それに処しますね」
「そうだ、帝国の法は悪人には厳しいんだ」
このことには定評がある、大罪を犯した者は何の容赦もなく残虐極まる処刑に処すことで知られている。
「そして軍法もだよ」
「はい、それは聞いています」
「既に」
「そしてそれをですね」
「我々にもですね」
「そこもわかってくれよ、軍法は厳しくないとな」
久志はこのことは軽く笑って話した。
「駄目だろ」
「はい、確かに」
「そのことはですね」
「まさにその通りですね」
「それこそが強い軍を作ります」
「訓練や強さまで」
「そうだろ、だからうんと厳しくしてるんだ」
その軍法をというのだ。
「そうしているんだ」
「そしてですね」
「そのうえで、ですね」
「我が騎士団も律していく」
「そうされていきますね」
「ああ、そういうことでな」
こう言って実際にだった。
彼はミュンヘンの騎士団を全て掌握しそうしてだった。
この街の拠点化を行いつつ次の目標への進軍を開始した、彼はミュンヘンを発ってから本陣で将帥達に話した。
「アウグルブルグからだ」
「次はですね」
「そしてさらにですね」
「兵を進めますね」
「シュツットガルトも掌握して」
そしてというのだ。
「北上してフランクフルト、それにルールも手に入れていき」
「ハンブルグですね」
「あの街も手に入れて」
「そしてライン川東岸ですね」
「そうして占領していってな、ただ他の方面から進む連中がハンブルグを手に入れれば」
その場合のことも話した。
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