第二百七話 冬の進軍その七
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「寒いし空も曇ってる時が多いけれどな」
「それでもですよね」
「悪い感じはしませんね」
「左様ですね」
「ああ、元々同じ国だったってのは大きいな」
何といってもというのだ。
「じゃあここはな」
「はい、平和にですね」
「騎士団領の併合を進めていきますね」
「そして各騎士団もですね」
「連中の軍事力も欲しいしな」
それも出来るだけ傷付けずにだ。
「そうしたことも出していってな」
「併合を進めていきましょう」
「その様にしていきましょう」
「是非共」
「ああ、そうしていこうな」
こう言って実際にだった。
久志は騎士団領と半島のつながりも見つつそのうえでまずはミュンヘンに向かった。ミュンヘンの騎士団達は城門を閉ざし兵を城壁の上や塔に置いて戦闘態勢を取っていたが。
ここで久志はその彼等に使者を送ることにした。
「降伏の条件はな」
「寛大なものにですか」
「するな」
こう使者にする士官に話した。
「ここは」
「そうされますか」
「帝国軍に入ってもらう」
「騎士団の者全員が」
「給料は俸禄のままで領地もな」
これもというのだ。
「保証する、ただ帝国の法にな」
「従ってもらう」
「その条件でな、あと階級とかもな」
「そのままですね」
「ああ、それで帝国軍に入ってもらうだけでな」
「降伏を受け入れますか」
「そう伝えるんだ、あと当然財産も保証してな」
そうしてというのだ。
「街で略奪も暴行もな」
「一切しないですね」
「街も民も傷付けない」
「そのこともですね」
「伝えろよ」
ミュンヘンの騎士団達にというのだ。
「いいな」
「かなり寛大ですね」
「ああ、それで装備はな」
これの話もした。
「帝国軍に入ったらな」
「帝国が支給しますか」
「帝国の最新装備をな」
「そのこともですね」
「伝えろよ、飴と鞭って言うけれどな」
「飴ばかりですね」
士官は思わず笑って話した。
「敵対的jな態度ですが」
「昨日の敵は今日の友だろ」
「そういうことですか」
「だからな」
それ故にというのだ。
「ここはな」
「その条件で、ですか」
「帝国に入ってもらうな」
「そしてですね」
「ああ、伝えてくれよ」
「わかりました」
士官も応えてそうしてだった。
使者は久志の言葉をそのままミュンヘンの騎士団の団員達に告げた、すると今度は騎士団の方から使者が来て彼に聞いてきた。
「お話は聞きましたが」
「ああ、帝国軍に入ってくれたらな」
久志は使者である中年の騎士、赤髭の彼に笑顔で答えた。
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