第三章
[8]前話
「本当に」
「だからな」
「タージともペリとも」
「すぐにな」
きっと、というのだ。
「仲良くな」
「なってくれるわね」
「ああ、絶対にな」
こう話してだった。
二匹をタージそしてペリと合わせると。
「ワンワン」
「ワン」
「ワンッ」
まずはタージと仲良くなった、そして。
ペリにも近寄って身体を摺り寄せてだった。
傍に寄り添った、それがはじまりで。
白いピットブルのホーソンはペリと一緒に寝て自分の身体を彼女の枕にしたりもした。そうしてだった。
グレイシーはペリと二羽で遊んだりおもちゃを持って来たりした、タージは相変わらず盲導犬であり。
三匹でペリの面倒を見て優しい目を向けていた、するとペリも。
「ココッ」
「ワン」
「ワンワン」
「ワオンッ」
三匹に完全に心を許しいつも彼等に嬉しそうな鳴き声を向けた。そうして幸せに過ごしていて。
飼い主達にも懐いていた、夫婦はそんなぺりを見て笑顔で話した。
「よかったな」
「そうね」
妻は夫の言葉に頷いた。
「いい子達が来てくれて」
「お陰でペリも幸せだよ」
「まずタージがいてくれて」
「そしてグレイシーとホーソンが来てくれて」
「そうしてな」
そのうえでというのだ。
「いつも一緒にいてな」
「そうして面倒を見てくれて」
愛情を以てというのだ。
「ペリはね」
「いつも幸せだ」
「そうね、目は見えなくなったけれど」
それでもというのだ。
「心は温かいわね」
「そうだな、じゃあこれからもペリの心が温かくてな」
「幸せにいられる様にしていきましょう」
「そうしていこう、皆家族だからな」
「家族が幸せでないと駄目だしね」
「そうなる様にしていこう」
「ペリの為にもタージ達の為にもね」
夫婦で自分達の義務を確認もした、そしてだった。
一家で仲良く労わり合う様に努力しながら暮らしていった、ペリはそんな家族の中で幸せに暮らした。光を失った彼女は幸せは失っていなかった。
鶏の盲導犬 完
2021・6・16
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