第一章
[2]次話
鶏の盲導犬
アメリカアリゾナ州マリコバ郡フェニクス在住のクリスタ=ハバードの家には薄茶色のピットブル犬の雄犬タージがいる。
そのタージに一家は黄色い雛を紹介した。
「ワン?」
「ココッ」
「ペリ、女の子だ」
「仲良くしてあげてね」
夫のマーシーと妻のクリスタがタージに言った、二人共初老でそろそろ髪の毛が白くなってきている。夫の目は青で妻の目は黒だ。二人共いい体格だ。
「これからはずっと一緒だから」
「優しくするんだぞ」
「ワンッ」
タージは両親に尻尾を振って応えた、こうしてだった。
タージはペリと共に暮らしはじめたが生後半年でだった。
ペリは感染症にかかってしまった、それでだった。
「失明ですか」
「そうなったんですか」
「はい」
獣医は夫婦に黒い羽毛を持つ鶏になった彼女を前にして話した。
「命は無事でも」
「もう目が見えない」
「そうなってしまったんですか」
「残念ですが」
こう言うのだった。
「ですから」
「これからはですね」
「この娘は目が見えないということを」
「常に覚えておいて」
そしてというのだ。
「一緒にいて下さい」
「そうですか、わかりました」
「家族ですから」
夫婦で獣医に答えた。
「それではです」
「これからは」
「宜しくお願いします」
こうしてだった。
ペリは以後光を失った、家族はその彼女の為に。
家の中に様々な工夫をした、そのうえで家族が全員家にいない時はペリの為のシッターを雇ったが。
タージもだ、彼女の傍に来て。
「クゥン」
「コッ?」
「クゥン」
いつも彼女の傍にいる様になってだった。
彼女の誘導もする様になった、夫はそれを見て妻に話した。
「どうもタージはな」
「ええ、ペリを心配してね」
「それでな」
「彼女を助けてくれているわね」
「盲導犬になってくれているんだな」
「そうね」
妻は夫の言葉に頷いた。
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