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幻の旋律
第九話 加速する臨場
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、すなわち殺人者の孫として小学校でもひどいいじめに合いました。さらに伊能良蔵死後、この少年は孤独だったに違いない。彼と言葉を交わすことなく近くで見守った女の子がいました。それがサングラスの女、塩塚美香です。二〇年経過した今、写真により再び思い出し、涙ながらに語りました。しかし、この少年の不幸はさらに続くのです。」
「このように、輸送トラックまでの失った当時の銀竜組は麻薬輸送もできずに経営的にも大打撃を受けました。復讐のため・・大勢の組員は、この少年を捜索しましたが見つかりませんでした。そこで佐々木は、橋げた落下事故の遺族の子である当時小学6年生の滝沢馬琴に接近し、その子を殺すように命令しました。この二人の少年は橋げた落下事故以前までは、仲が良く兄弟同然でした。橋げた落下事故が佐々木の仕業とは知らない滝沢少年は、その少年を恨んでいました。やがて滝沢少年はこの少年を第七工事現場に呼び出し、崖から突き落としたのです!
その後、滝沢は闇の世界に足を踏み入れてしまったのです。」
「なんとうい事だ・・・それがあの事件か・・・ところで、その少年のことが今回の滝沢の殺害計画に関係があるのか・・・」
「はい・・・・」

時速一二〇の過去への旅路・・

「これは、未来へ続く橋だ・・俺が立てたんだぜ・・」
「何訳の分からない事言ってるのよ!・・馬鹿じゃないの・・」

二人は、昔話をした・・

「俺は、ガキの頃、砂浜でダムを作って遊んでいたんだ・・」
「私は、砂浜でママ事よ・・」

ハイスピードに蘇る記憶・・

「俺は昔、この有明沿岸を歩いたんだぜ・・果てしなくな・・」
「なんかそれ、伊能忠敬みたい・・渋いね・・」

まるで、何かから逃れるかのように・・・

「もう、クラスの生徒達も追ってこないわ・・」
「ああ・・これで俺達二人は、誰にも捕まえられない・・」

時間も高速に過ぎていく・・・

「時間は有限でなく、無限だ・・」
「そうよ、私達が死んでも、永遠に流れ続けるのよ・・」

「その少年は何と!生きていたのです・・・・・」
「何!あの高さ100mの崖から落ちて生きていただと!」
「当時有明海は引き潮で、波が穏やかでした・・男は落下から約一週間の間意識を無くしたまま、海を漂流した模様、近辺を通過した銀竜組の脱組員の漂流と出くわしました。
「なんだと!」
「彼は、銀竜組放火事件の数日後、焼け跡の侵入し金庫から大金を盗み逃走し、彼には婚約者がいて、彼女の元に行く計画でした。彼はその子の発見時、すぐに組員から狙われてる子だと分かりました。また記憶喪失であることに気ずいたため。自分の少年にしようと連れていったのです。しかし約一年後、島まで追って来た組員に殺されました。一年間でしたが、彼を自分の子供のように大変大事にした
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