第106話『師匠』
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そのジョーカーの言葉に、会場が沸き立つ。【日城中魔術部】に続いて、またもや未成年チームが勝利しているのだ。胸踊る展開なのも頷ける。
『それでは、続く第4試合の準備を──』
「──あ〜もう、我慢できない!」
「あれ、ハルトどこ行くの?!」
「ちょっと野暮用!」
そんな盛り上がる会場の中、晴登は結月の問いにそう答えながら応援席から離れた。
このまま試合を見たい欲もあったが、それよりも今の試合を見てじっとしている方が嫌だったのだ。
ちなみに目的地はもちろん──
*
「いや〜さっすが風香、相変わらず隙を突くのが上手いんだから」
「褒めすぎ、月」
「でもでも、ホントに凄かったよね! ビューンって!」
「とにかく、1回戦が突破できて良かったね〜」
フィールドから退場しながら、【花鳥風月】のメンバーがそんな会話を繰り広げていた。そのまま入場の時にも通った通路を歩いていると、
「さ、猿飛さん!」
「ん? あ、君は確か──」
「どうしたの? 三浦君」
月の言葉に続くように、風香が訊く。もっとも、彼女には何の用かは察しがついていたが。
「え、えっと、猿飛さんに訊きたいことが……」
「わかった。そういうことみたいだから、みんなは先に戻ってて」
「えぇ? ポンポン話が進んでよくわかんないけど、彼女持ちだからちょっかいかけちゃダメだよ〜?」
「そんなことしない」
月の忠告に、風香は呆れたように答える。
彼女以外のメンバーは不思議そうな表情をしていたが、言われるがままに3人でそのまま行ってしまった。
「さて、思ったより来るのが早かったね」
「だってあんな凄い試合見たら、いても立ってもいられなくなって……」
「だからって、試合直後に来ることはないでしょ。私だって疲れることはあるんだよ?」
「う、すいません……」
ご最もだ。後先考えず行動して、さらに相手の都合を蔑ろにするのは全く賢くない。これは反省。
「わかればよろしい。でも、今日はまだ力が残ってるから、午後からならいいよ」
「本当ですか?!」
「うん」
「よっし!」
しかし、風香の懐の広さに救われた。あまりの嬉しさに、思わずガッツポーズまでとってしまう。これでまた強くなれるのだ。ワクワクして仕方ない。
「それじゃ、昼飯を食べたらホテルの裏庭に来て」
「裏庭……わかりました!」
風香の言葉に元気よく答え、晴登は応援席へと戻るのだった。
*
その後、午前の試合の観戦を終えて昼食もとった晴登は、早速ホテルの裏庭にやって来ていた。
ちな
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