第六十四話 阿波野君と先輩その三十
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「いいわね」
「自分を抑えることですか」
「そうした感情は見せないでね」
このことをくれぐれもと念押ししました。
「いいわね」
「そのうえで、ですね」
「うちに来てね」
「自信ないといいますか」
「絶対に怒るっていうのね」
「そもそも僕あの人嫌いですからね」
「本当に嫌いな相手には感情見せるわね」
ある意味見事とさえ思いました。
「その癖性分はなおらないのね」
「なおす気もないですし」
「なおしなさいね」
そのことは注意しました。
「絶対に」
「だってあの人その時自分は絶対に正しいって思ったんですよね」
「神殿で言ったり校門で待ち伏せした時とか」
「人間絶対の正義だって思ったら終わりですよ」
「どういうこと?」
「その時にとんでもなく残酷になるんですよ」
だからだというのです。
「それで相手を思いきり踏みつけますけれど」
「先輩がそうしたっていうの」
「はい、それで踏みつけられた相手がどれだけ痛いか」
「痛かったからおみちを嫌いになったのね」
「僕自分が物凄く執念深くて残忍で陰湿で卑劣だってわかっています」
本当に特撮に出てきそうな性格です、話を聞いていてそう思いました。
「ですから自分が絶対に正しいとはです」
「思わないのね」
「そもそも」
こう私に言ってきました。
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