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幻の旋律
第八話 時間との共有
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まあ、そう怒りなさんな!大げさな事を言えば噂は立たないのだよ・・ハハハハ」
中央に座っている教頭が言った・
「全く、君は大した奴だ!噂とうり相当頭が切れるな・・やはりお前は、教員を辞めて正解だ!ハハハハハ」
「まあ、確かに!私は教員免許剥奪されましたからね!ハハハ」
周囲の職員は大笑いしていた。

帰りのHR
「待鳥先生、今日俺忙しいので、HRよろしく・・」
「何言ってるの!自分でやりなさい!」
「まだ怒ってるのか!
全く、しょうがないな・・」

一方クラスでは・・
「あれ、深谷先生遅いね・・・」
そのときだった。
「ピンポンハンポン・・」
「普通2年B組に連絡します・・今からHRを始めます・・」
「は?HR?何放送で言ってんだよ!ハハハハ俺らの担任やっぱイカレテルぜ・・」
「起立!気お付け!礼!」
皆、放送に従っていた・・
「面白すぎるぜハハハハ最高だぜ!深谷先生!」
「よし!俺は忙しいから放送した・・明日も欠席がないように!では、また明日!」

「何やってるの!深谷先生・・あなた、校内放送でHRをするなんて!一体何て教員なの・・・」
「たまには放送もいいだろ?生徒の顔を見なくても俺は想像できるせ!楽しそうな姿がな・・」
「全く何考えてるの・・」
幸代はほほ笑んでいた。

雨が降り始めた。
賢治は昇降口を出て、車に向かっていた。
そのとき美しいメロデーが聞こえる。思わず差していた傘を落とし雨空を見上げた。
「まだ、歌ってるのか・・」
賢治は、しばらく聞いていた。

外は、枯葉が落ち始め、寒い冬の始まりを告げていた。
「あの日も雨だったな・・」
あの、雷雨の中、屈辱的なそして復讐に向かった日を思い出していた。
賢治は雨空を見上げて言った。

「でもこの雨は優しいぜ・・・」

「もう、君らは自立してるな・・
最優秀賞なんて最初からどうでもいいんだ・・
俺の出る幕もない・・嬉しい限りだ・・
でも、これって、ある意味悲しいことだな・・」

賢治は、クラスに対して授業も構えず楽しんでいた。とにかく、いろんな話をした。
幸代はそれをすべて見守ったのだった。二人の関係も穏やかで微笑ましい日々だった。そんな穏やかな時間だからこそ、高速に過ぎるのだろう・・
やがて寒い冬も過ぎ、春へとちかずいていった。終業式までのカウントダウンが始まっていたのだ。世間は暖かい春の訪れを持つのであるが。しかし、賢治はそんな事を願ってもいなかったのだった。

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