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イベリス
第九話 部活も入ってその九

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「それがもう打ってくれて」
「得点にもちゃんとつながって」
「しかも盗塁も多いし」
「阪神打線も滅茶苦茶強くなったわ」
「本当にね」
「もう隙ないわね」
 咲が見てもだ。
「今の阪神は」
「だから毎年日本一なのよ」
「もう無敵のチームよ」
「しかもどんどん強くなっている」
「そんなチームになったのよ」
「そうよね、巨人はどんどん弱くなってね」 
 かつての自称球界の盟主はそうなっている、最早かつてのやりたい放題の姿なぞ何処にも存在していない。
「それとは逆にね」
「阪神はどんどん強くなって」
「それでこれからも強くなる」
「そうなるわ」
「いいことね、巨人のホームラン去年はシーズン五十七本で」
 それだけでというのだ。
「阪神は二百五十一本」
「比較にもならないわよ」
「いやあ、もうピストルね」
「阪神を大砲としたら」
「巨人はそうね」
「しかも阪神エラーは三十一しかないけれど」
 守備もいいというのだ。
「巨人は百五十七」
「記録らしいわね」
「一年辺りのエラー数では」
「それやっちゃったみたいね」
「そうみたいね、補強出来なくなったら」
 巨人の十八番であった悪辣な手段である。
「あそこまで弱くなるのね」
「弱いみっともない恰好悪い」
「巨人はその三拍子ね」
「あんないいところないチームもないわよ」
「打たないしエラーばかりで」
「しかも打たれるってね」
「そうよね、あんなチームなんてね」
 まさにというのだ。
「いいところないわ」
「けれど阪神は違うから」
「今年も日本一よ」
「どんな相手でも勝ってやるわ」
「目指すは世界一のチームよ」
 阪神ファンの娘達は意気軒高であった、そんな彼女達の言葉も聞いて咲ははじまったばかりの航行生活を過ごし。
 部活にも出た、そして野球漫画を読むと。
 あるプロ野球の漫画を読んで咲は部長に尋ねた。
「ちょっといいですか?」
「どうしたのかな」
「あの、南海ホークスって」
「今のソフトバンクだよ」
「そうですよね」
「昔は大阪に本拠地があってね」
 部長はその漫画を読む咲に話した。
「親会社は鉄道会社だったんだ」
「そのことは知ってましたけれど」
 その漫画を読みながら部長にさらに話した。
「ユニフォーム緑だったんですね」
「緑と白だったんだ」
「それで監督野村さんで」
 その頃の野村克也も出ているのだ。
「江本さんもですか」
「南海にいたんだ」
「阪神じゃなかったんですね」
「江本さん最初日本ハムだったのよ」
 三年の女子の先輩がこう言ってきた。
「今で言うね」
「最初は」
「昔は東映が親会社でね」
「ああ、映画会社の」
「江本さんは最初東映にいて」
 そしてというのだ。
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