第六幕その八
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「普段と何か違う」
「これは鳥の匂いですね」
シュガーはその匂いから言いました。
「それも鳩に似た」
「鳩なんだ」
「はい」
カルロスに答えました。
「その匂いがします」
「けれど鳩なんていないよ」
カルロスは周りを見回してシュガーに答えました。
「何処にもね」
「そうなんですよね」
「気配もするんです」
メイプルも言いました。
「これが」
「この辺りにいることは間違いないんだね」
「そうなんですが」
「ううん、けれど僕達にも見えないよ」
「不思議ですよね」
「そうだね」
「どういうことでしょうか」
「私達も不思議で仕方ないです」
桜も首を傾げさせています。
「今は」
「ううん、見ても回ってもいなくて」
「姿は見えないですよね」
「そうだね」
「ちなみに留守番はトトさんがしています」
「それで私達が皆集まっているんです」
ビスケットはこのことを言いました。
「それで見回っていますけれど」
「姿は見えないんだね」
「鳩なんて何処にいなくて」
「これはどういうことでしょうか」
ふわりは全くわからないというお顔でした。
「本当に」
「鳩がいないのにね」
「鳩の匂いと気配がするなんて」
「あれっ、あそこに草なんて集めていたかな」
ジョージはここで自分達の少し離れた場所に草を集めた様な塊を見付けました。
「草を毟って集めたのかな」
「そうしたものは農園とか牧場には何処でもあるけれど」
ナターシャもそれを見て言いました。
「あんなところにあったかしら」
「私達も農園の中全部見て回ってないけれど」
恵梨香も言いました。
「何かおかしいかしら」
「ちょっと近くまで行って見てみよう」
神宝がここで知恵を出しました。
「そうしよう」
「それがいいね、じゃああの草の集まりみたいなの見よう」
カルロスも頷いてでした、そして。
皆でラムレーズンの収穫前にでした。
その草を毟って集めて固めたみたいなよく見れば丸いものの方に近寄りました、するとそれはでした。
やけに太って丸々とした鳥でした、色はマンチキンの草の青色でしたが曲がった嘴は白くて目は丸くてです。
鳩に似たお顔で足は短いです、カルロスはその鳥を見て言いました。
「この鳥はまさか」
「ドードー鳥ね」
王女が言いました。
「オズの国では結構色々な場所にいるわよ」
「そういえば時々見ますね」
「そうでしょ」
「外の世界ではもういないですが」
「オズの国では結構いてね」
「この農園にも入ってきていたんですか」
「何時の間にか入って住み着いているんじゃないかしら」
王女はこう考えました。
「この子は」
「それでここにいるんですね」
「そうじゃないかしら」
「あ
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