第四百六十四話 キールでの邂逅その七
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「俺は」
「そうなんだ」
「ええ、どっちも味がありますから」
そのいやらしい笑顔での言葉である。
「俺としては」
「そうなんだ」
「はい、もうそれこそ」
「俺もだ」
和真は真顔で言った。
「どっちもどっちで味わいがあるからな」
「そうなんですか」
「和真さんはそうですか」
「ああ、そうなんだよ」
和真はめぐるとすみれにも話した。
「俺はな」
「何かそこが和真さんですね」
「潔いですね」
「お陰でクズとかカスとか言われてるけれどな」
それでもというのだ。
「俺は俺だよ」
「では私はどうでしょうか」
クローディアはその和真にいつもの微笑みで尋ねた。
「いいでしょうか」
「いいと思うぜ」
「左様ですか」
「ただ触ったら駄目だよな」
「はい、真っ二つです」
クローディアは笑顔のまま答えた。
「生き返られるので問題ないですね」
「流石にそれは嫌だからな」
「だから見ているだけですか」
「スチールもしないからな」
「その時も真っ二つですから」
「姉ちゃん本気で言ってるな」
すねこすりが二人のやり取りを見て述べた。
「そうだな」
「はい、目は笑ってますけれど」
綺凛が答えた。
「こうした時の会長さんは」
「やっぱりそうだよな」
「本当に和真さんがスチールをされたら」
「笑顔のままでだよな」
「真っ二つです」
文字通りそうするというのだ。
「縦か横かわかりませんが」
「そうなるよね」
「あの、ですが和真さんってけなしたりしないと何もされないですよね」
このことは舞衣が指摘した。
「別に」
「そういえばそうだよね」
豆腐小僧は舞衣のその言葉に頷いた。
「和真もいつもしないね」
「何か言われてなので」
「そこはいいよね」
「そうよね」
「うん、色々言われてるけれど筋は通ってるね」
「だから何処かで愛されてもいるのね」
和真、彼はというのだ。
「皆から」
「私もよくいやらしい目で見ていますが」
今度はクレアが言ってきた。
「確かに嫌いではありません」
「そう言うあんたも悪い人じゃねえぜ」
クレアにはゴードンが言った。
「顔は俺の妹より落ちるけれどな」
「そうなのですね」
「ああ、顔もスタイルもいいぜ」
「顔のこと言われても怒らないの」
「顔のことは構いません」
クレアはミウにも答えた。
「言われても」
「そうなの」
「はい、気にすることではないので」
そう考えているからだというのだ。
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